普段の生活で工夫していることについて

盲ろう者の私が普段の生活の中で工夫しているのは?

皆さん、こんにちは!

本記事は私の普段の生活において工夫していることを紹介したいと思います。

目次

日常生活での工夫

盲ろう者とは、目(視覚)と耳(聴覚)の両方に障害を併せもつ人々のことです。その障害の程度や状態はさまざまですが、総じて盲ろう者には、情報入手・コミュニケーション・移動に困難があります。そのため、盲ろう者は社会参加が難しいという現状があります。しかし、私はたくさんの人々に出会い、一緒に活動や仕事するなど豊かな体験をしたいと強く願っています。

そのため、日常生活の中で色々と工夫をしています。

情報入手

私は耳が全く聞こえず目もよく見えないため、自然に得られる情報が少ないです。健聴者は耳が聞こえるため、音からいろいろな情報を得られます。例えば、電車に乗っている時、次に停車する駅名や事故などの情報を車内放送で知ることができます。それらが私には聞こえません。しかし、電車が駅に近づくと振動が変わるので、私はまもなく駅に着くことがわかります。そして、京都駅など特徴が明らかな駅があります。一人で京都に行くのですが、京都駅の近くに長いトンネルがあります。新幹線が長いトンネルに入ると特徴的な振動が感じられ、京都駅が近付いたことが分かるので降りる準備を始めます。

また、テレビを見聞きすることが難しいので、パソコンやスマホでニュース等を積極的に読むようにしています。盲ろう者通訳・介助員からの支援を受けているのですが、外出先などで周囲の人々の会話や様子などの情報を伝えて欲しいとお願いしています。

コミュニケーション

私の第一言語は手話です。触手話でコミュニケーションします。手話ができない友人とは、あいさつ代わりに握手をし、筆談で話します。健常者の友人がたくさんおり、スマホや手のひら書きで筆談をします。手話に興味をもってくれる友人も多く、仲良くなると簡単な手話と筆談でコミュニケーションをとります。盲ろう者とは指点字という方法で話すときもあります。点字の6点を両手の人差し指・中指・薬指に打つ方法です。

触手話で「こんにちは!元気ですか?」と盲ろう者に伝えている。

移動

新幹線に乗る時、駅員にスマホを使った筆談で乗車口まで移動介助をお願いします。目的地では、その駅の駅員に改札口まで移動介助を依頼します。今年の5月末と6月末に京都・大阪に行った時、駅員からの支援を受けずに初めて一人で移動しました。私は間違えずに目的地に行けました。新幹線の中では各地で特徴的な振動の感覚を得られ、現在地がすぐにわかります。京都駅に到着してから改札までの道のりも感覚で覚えています。経験から私なりの手掛かりを得て、ひとりで行動できることが増えていきます。

飛行機に乗る時は、事前に航空会社にメールで、自分の障害と必要な支援を伝えておくことが多いです。航空会社の職員に誘導介助をお願いします。飛行機は目的地が決まっており、途中で止まらないので、乗ってしまえば着陸を待つだけなので楽です。

「誘導介助」空港の職員「搭乗入口までご案内いたしますね」盲ろう者「お願いします!」と誘導している。

明るいところや慣れているところは一人で移動することが多いのです。ひとりで外出し、道が分からなくなった時、周りの人に「今どこですか。目的地○○に行きたいです。」と筆談で話しかけます。優しい人に出会えれば、誘導介助をしてくれます。暗いときや慣れていない場所への移動は、神奈川県盲ろう者通訳・介助員派遣事業を利用し盲ろう者通訳・介助員の支援を求めます。友人に移動介助をお願いすることも多いです。

今後の希望

 現在、触覚デザイナーとして活動をしています。所属している大学院では、触覚サインシステムの研究をしています。障害の有無、男女、年齢、国籍に関わらず、誰もが使いやすい触覚サインシステムを開発し、いつか空港や駅、商業施設など公共インフラにそのシステムが取り入れられて欲しいという願いがあります。

楽天市場およびAmazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

盲ろう者の私が普段の生活の中で工夫しているのは?

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この記事を書いた人

たばた はやと:触覚デザイナー
1997年東京生まれ、現在は横浜在住、京都芸術大学大学院に在学中。先天性盲ろう者。コミュニケーション手段は、接近手話・触手話・指点字・筆談など。趣味はマラソン・旅行・2人乗りのタンデム自転車。

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