こんにちは!スノマナです。
急に冷え込んできましたね!最近、寒暖差が激しいのでお体には気をつけてください。
さて、皆さんは「ディナーテーブル症候群」についてご存知でしょうか?
私が社会人になったばかりの時に、SNSで「ディナーテーブル症候群」のことをつぶやく友人を見たことがきっかけで、意味を知りました。
この記事が、あなたのきっかけとなれば嬉しいです。
ディナーテーブル症候群の意味は?
これは、アメリカ人ろう者のデビッド・ミーク氏が研究した内容から名付けられた名前です。
分かりやすく説明します。
聴者の家族(父、母、兄)の中にろう者が一人だけいるとします。
①聴者の母が口話や身振りを使って話しています。
②ろう者が内容を理解しようと注視します。
③聴者の兄が反対方向から話し始めました。
④ろう者はそのことを気づかず、聴者の母が話し終わったと思って周囲を振り返りました。
⑤そこではじめて兄が話し中であることに気づきます。
⑥今、誰がどのような内容の話をしているのかを把握することが困難です。
このように、ろう者が聴者の家族の会話に十分参加できず、疎外感を感じている状態を
「ディナーテーブル症候群」と言います。
ディナーテーブル症候群についてまとめた論文を、日本語または日本手話で翻訳したウェブサイトがあります。
ろうなび-ろう者が選んだろう・難聴に関する学術情報ポータルサイト – ディナーテーブル症候群
イメージしづらいかもしれませんが、この動画は分かりやすく、ろう者のわたしからしても、共感できる動画になっているので見てほしい動画です!
動画の様子をまとめてみました。
デフファミリーの私と母も含め、みんなも経験している
母の場合
母はろう学校の同級生のママさんの飲み会に参加したとき、聞こえるママさんたちは筆談や身振り、口話をゆっくりしてくれますが、筆談しながら、音声で話しているため、楽しそうに盛り上がっていて入れない、また、聞こえるママ達が楽しそうに盛り上がっていて、そこに入れず、ただ食べるだけでした。
私の場合
私もこれまで似た経験をたくさんしてきました。
インターンシップにてボランティアの皆さんとランチしながらお話をしましたが、
筆談しながらご飯を食べることはとても大変です。
箸を置いて書かなきゃいけないし、休憩時間が限られている中、食べ終えないといけないから、気を遣って私が早く食べ終わってトイレに逃げ込むか、筆談の回数を減らして、
何言ってるのか分からない口話を見てニコニコしたり。
そんな空間が辛く、食べ終わった後トイレでめちゃ泣きました!!!!
あの疎外感が今も忘れられず、トラウマになっています。
社内のユキさんの場合
母と妹が手話、父がキューサイン、孫誕生をきっかけに手話開始しました。
家庭内でももちろん取り残されてる感はあったし会話中も何の話?詳しく!と私がしつこく聞いてました。
でも、自分以外の家族三人とも会話ができないわけではなく、ちゃんと会話が成立していたのであまり苦痛ではなかったです。
ただ、親戚の集まりとなると、人数も多いため、ディナーテーブル症候群になってしまい、苦痛でしかなかったです。
聞こえる人も逆の立場になると同じことだと思います。
聞こえない人たちと飲み会に参加したとしても、分からない単語が飛び合って、今の手話何?と段々ついていけなくなりますよね。
対策はあるのか?
対策についてどんな方法があるのか調べました。
- 会社向け
「誰が」「何を」話したかが直感的にわかる。みんなの会話をリアルタイムに視覚化するサービス VUEVOがあります。
表示するためのパソコンと、音を感知する装置が必要にはなりますが、
「誰が」「何を」話しているかをリアルタイムに直感的に表示することのできるサービスです。
会社で複数人の会議や打ち合わせに参加するろう者にはこのサービスは大変助かると思います!
- 家族向け
幼児期(3歳~)から、家族やきこえるきこえないにかかわらずみんなで楽しめるボードゲームを年齢別に紹介されていて、使い方や値段まで丁寧に記載されていてわかりやすいです。
ハンディキャップを少しでもなくすものとしていいと思います!
上記のような対策がありますが、
最も良い方法は『皆が手話を覚える・できる』ことだと思います。
TikTokにてとある母の反省の言葉が述べられています。
「家族みんな手話を覚えるべきだった」の言葉です。
とても重くずしっとくる言葉ですね。
あの時、覚えてれば娘or息子が寂しい気持ちをさせず、楽しい会話の思い出になってくれたろうに・・・と
後悔してしまう親がいると思います。
手話を一から覚えるのはとても大変だと思いますが、心残りないように楽しいコミュニケーションをとっていけるといいですね!
また、大塚クラブには、聞こえないお子さんを持つお父さんとご家族のための手話講座が行われているそうです!
これまではママが参加することが多いイメージですが、パパ向けの講座があるため、パパ同士ならの悩みを共有できる場だと思います。
気になる方は、是非チェックしてみてください!
ディナーテーブル症候群について取り上げられている情報がある
草彅剛さん主演でドラマ化され大きな反響を呼んだ丸山正樹さんが書いた小説、『デフ・ヴォイス』を観た人いらっしゃいますか?
その小説のほかに、『わたしのいないテーブルで デフ・ヴォイス』という本に「ディナーテーブル症候群」について書かれています。
私はまだ読んでいませんが、家庭内での孤独について描かれているとのことなので、タイトルから想像すると、泣きそうになります・・!
五十嵐大さんが、両親に対して感じたことをを以下の記事に書き留めています。
「マイノリティ」ってなんだろう?|いま話したい人がいる Vol.03 | こここ
「ディナーテーブル症候群を経験してきたろう者は、思い切って手話で話せる「仲間たち」と会うととても嬉しくなる」
https://co-coco.jp/series/igarashi/03minority/
まさしくその通りです。
聞こえる人と話すのは楽しいけど、情報・会話が得られなくなる環境になってしまうと、どうしても耐えられず、ストレスが溜まってしまいます。
聴家族は手話がどんなにうまくても、ディナーテーブル症候群は必ず発生してしまうことがあると思います。
手話を意識しても、つい口話で話してしまうこともあるのでしょう。
また、家庭内に手話ができても、外の世界へ出ると(親戚の集いや聴者の友達など)ディナーテーブル症候群は決して避けられないのです。
まとめ
いかがでしたか?
私も過去にトラウマがあるので、自分の心と相談して無理のない範囲で音声文字変換アプリの「YYSystem」をお守りの一つとして参加するようにしています。
難しい課題でもあり、すぐに解決はできませんが、ディナーテーブル症候群のことを知り、ひとつずつ理解してもらうなど、お互いに満足感の得られる「会話」で良好な関係づくりをしていけたらいいですね!