触覚デザイナーの活動のこと

触覚デザイナーの活動

こんにちは!盲ろうの田畑です。

本記事では私がどのようにして触覚デザイナーになったのかどんな開発をしているのかお話をしたいと思います。

目次

はじめに

私は触覚デザイナーとして活動しています。これまで触覚を使ったゲームなどを仲間と一緒に開発しました。magnetというチームで活動しています。magnetメンバーは5人です。その中で盲ろう者は私だけです。

仲間との出会い

私は大学2年生の時、仲間のひとりと出会いました。手話が出来る彼女と触手話で「一緒に触覚を使って、どんなおもしろいものが創れるか」について話しました。その後、友達を紹介してくれたので、magnetは3人になりました。

「たばたはやと十magnet」として、ゲームカード「たっちまっち」と「LINKAGE」を開発しました。「たっちまっち」は小学館「幼稚園」と「ぺぱぷんたす」に掲載されました。「LINKAGE」はインターネットなどで販売されました。その後、新しい2人のメンバーが入りました。

私が触覚に基づくアイデアを出し、仲間たちとアイデアをふくらませ、仲間たちと形にしていきます。

つくってきたモノ

たっちまっち

私は子どもの時、目と耳を使って言葉を獲得することが出来ませんでした。海や山、スキー場など現場体験することで、概念と言葉を結びつけていきました。この体験をもとに、「たっちまっち」の形状を考えました。具体的には、「海」から「波の形」、「雪」から「小さくたくさんの〇」、「雨」から「たくさんの下の線」など、「たっちまっち」には自然物をイメージした凸凹がたくさんあります。まず、目をつぶって指でどんなものがあるかを触ります。同じだと思うものを選びます。触覚の神経衰弱(トランプ)のような遊びです。

たっちコースター

 私は一人で街を歩く時、身体全体の感覚を手掛かりにします。足に感じる感覚、白杖から伝わる感覚や空気感などから、道のデコボコや起伏、現在位置など様々な情報が得られます。「たっちコースター」は、コースを切り取って、つないで、指でなぞって、コースの感覚を楽しむゲームです。小学館の「ぺぱぷんたす」に掲載されました。

LINKAGE

 私のコミュニケーション手段は触手話(手に触れる手話)です。触手話をヒントに「LINKAGE」というゲームを作りました。相手の指との力加減で相手とのコミュニケーションを図りながら遊ぶゲームです。交流会やイベントなどに参加する時に持参し、障害の有無に関係なく、多くの人々と一緒に遊ぶことが出来ました。

TOUCHPARK

去年の3月と8月に「TOUCHPARK」の展示を行いました。ゲームなど小さなモノつくりやワークショップをしてきた経験から、身体全体で遊べる大きなものを創りたいと「TOUCHPARK」を考えました。展示会には、障害の有無、男女、国籍に関わらず、たくさんの人々がきて、「TOUCHPARK」を体験してくれました。

京都で開かれたTOUCHPARK
京都で開かれたTOUCHPARK
東京で開かれたTOUCHPARK
東京で開かれたTOUCHPARK

わたしの研究

 現在、京都芸術大学大学院に在学しており、触覚サインシステム構築の研究をしています。駅や空港、商業施設などの公共サインでだれでも使いやすい触覚サインシステムを創りたいと考えています。

私には盲ろう障害があるため、多目的トイレやエレベーターの非常ボタンを間違えて押すことが経験上、多いです。視覚障害者のための点字シールがありますが、点字が読めない視覚障害者がおり、そもそもシールが貼ってある場所が分からないなど課題があります。触覚のアフォーダンスを使い、手すりやドアの取っ手など思わず触れてしまうところに誰でも使いやすい、触れて分かるサインがあれば便利になるのではないかと考えています。

いかがでしたか?

ゲームカードなどの触覚での面白さに皆さんもぜひ体感してくださると嬉しいです!

楽天市場およびAmazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

触覚デザイナーの活動

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この記事を書いた人

たばた はやと:触覚デザイナー
1997年東京生まれ、現在は横浜在住、京都芸術大学大学院に在学中。先天性盲ろう者。コミュニケーション手段は、接近手話・触手話・指点字・筆談など。趣味はマラソン・旅行・2人乗りのタンデム自転車。

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