「社員同士の情報共有が不十分…」
「議事録作成に時間がかかり、重要な情報を見落としてないか不安に感じる」
「聴覚障害のある社員と、円滑なコミュニケーションをしたい」———
こうした職場での悩みを一気に解決することができる、大注目中の多言語ワンストップAI議事録ツール『ワンミニッツ』。
ワンミニッツは、文字起こし、自動要約、多言語への翻訳、議事録の保管・共有などさまざまな機能を備え、働く人々にとって重要なツールとなっています。また、リアルタイムでコミュニケーションを可視化する文字起こし機能は、聴覚障害者の職場に欠かせない存在です。今回は、ワンミニッツを開発した、ワンミニッツ株式会社の代表取締役・小守谷直毅氏に、開発への経緯、思いや可能性についてインタビューしました。
手間のかかる議事録業務を効率化にしたい
—— 『ワンミニッツ』という名前には、どのような意味や思いが込められているのでしょうか?
「議事録に関する業務が1箇所だけで完結」「議事録業務を1分で完了」というダブルミーニング(二つの意味)があり、業務効率化とスピード感を表しています。また、ミニッツは英語で議事録という意味があります。「1分」という数字に特別なこだわりはないのですが、容易にすぐに完結できるという思いを込めました。
—— もともと議事録業務にはどのような課題があったのでしょうか?
ワンミニッツの開発に着手したのは2020年頃です。当時は会計や勤怠管理、電子印鑑などがデジタル化される中で、議事録はGoogle Docs、Wordなどで作成し、メールやファイルで共有するのが主流でした。議事録業務だけがアナログなままだったので、改善できないかと考えました。また、よくある「言った言ってないトラブル」、「議事録の作成を作るのに時間が要する」など負担が多い業務だが、それでもやらなければいけないので、負担を軽減するとともに効率化したいという思いがありました。
—— 翻訳や議事録、文字起こしなど多機能を開発するにあたり、特にこだわった点はありますか?
最も大切にしたのは「使いやすさ」です。ITリテラシーの高さに関わらず、誰でもすぐに使えること、つまり「ITが得意でない人でも迷わず使える」設計を意識しました。IT企業に勤めていると、つい自分たちのリテラシーを基準に考えてしまいがちなところがあり、実際に大企業でもITリテラシーが高くない方が圧倒的に多いのです。なので、多機能であっても、誰でも”すぐに使える”ことを重視しました。
フィードバックをもとに、ユーザーニーズの背景を理解することが重要
—— ワンミニッツならではの強み、特徴やポイントを教えてください。
議事録に関わる業務全体をワンストップで管理できる点が最大の特徴です。
例えば、
- 文字起こし機能:対面会議はもちろん、オンライン会議(Zoom、Meet、Teams)、セミナー、ウェビナーなどあらゆる場面に対応可能。
- 翻訳機能:多言語対応しており、グローバルなチームでも使いやすい。
- 議事録系機能:文字起こしだけでなく、自動要約、チーム共有、管理まで一気に完結できる。
つまり、多機能でありながら操作はシンプルで、「会話の記録から要約・共有・管理までを、ワンミニッツで完結する」ということです。
—— 文字起こしの精度が95%以上とのことですが、方法としてはどんなことでしょうか?
音声テンプレート機能があり、専門用語を学習できる仕組みがあります。社内でよく使われる言葉や専門用語を事前に登録しておくことで、より正確な文字起こしが可能になります。
ひとりの聴覚障害のある社員の出会いが、ワンミニッツの可能性を広げた
—— 導入事例で、聴覚障害者の情報保障としても使われているとのことですが、そのきっかけや背景を教えてください。
三井住友海上火災保険株式会社様の上司(聴者)と社員(聴覚障害者)との出会いがきっかけです。その聴覚障害のある社員の方は感情表現が豊かで、活発にコミュニケーションをとられていて、とても印象に残っています。さらに、その方がワンミニッツを非常に気に入ってくださったことが嬉しかったですね。
—— この時に感じた聴覚障害者が直面する課題とは何でしょうか?
僕自身、業務上で聴覚障害のある方と直接やりとりしていたわけではないので、伝聞になりますが、先ほどの上司の方から「コミュニケーションのテンポがズレてしまう」「お話をするときは必ず、文字起こしツールがある場所の近くまでいかないといけない」などからコミュニケーションや業務での遅れが生じているという問題を知りました。
これにより、リアルタイムで情報を得られない、インタラクティブ(相互的)なやりとりが難しいといった具体的な課題があることが分かりました。
—— その出会いを通して、ワンミニッツに対するご自身の考えなどに変化はありましたか?
議事録を効率化するために始めたことが、聴覚障害者と聴者とのコミュニケーションの可視化にも役立っているという気づきが大きかったですね。
また、ANAウィングフェローズ・ヴイ王子株式会社様の事例にもありますが、このワンミニッツを使うことで「同じタイミングで笑い合えるようになった」というエピソードがあり、“場の共有”が実現できていることが分かりました。ワンミニッツの可能性が、さらに広がったと感じています。
—— 聴覚障害者が利用しやすいように工夫した点はありますか?また、フィードバックをいただいたことはありますか?
当初から聴覚障害者に特化して開発したわけではなく、議事録業務の負担を軽減、誰にとっても使いやすいことを追求した結果、聴覚障害者と聴者のコミュニケーションにも自然とフィットしました。その後、実際にさまざまなフィードバックもいただいています。
例えば、「聴覚障害者がタイピングした内容を音声で出力する機能」や、「音声が文字化されるチャット画面でタイピングしたい」という要望がありました。ただ開発するときは、単に機能を実装するだけでは実際に使われないことも多いので、使いやすさはもちろん、「なぜその機能が必要なのか」といったユーザーが求める機能の背景もしっかり考慮して、真摯に向き合っています。

URLを事前に共有、画面を2分割にしてZoomを左側に表示、右側は取材者が入力
聴覚障害者だけでなく、「企業全体が使える」こそが導入の決め手
—— 昔、文字起こしツールや情報保障ツールの導入をお願いしたことがありますが、「それだけに予算を割けない」と言われた経験があります。ワンミニッツはまさに”誰でも使える”ツールだと感じています!
確かに「文字起こしだけのツールでは予算確保が難しい」という声をよく聞きます。ワンミニッツの最大の強みは、聴覚障害者支援だけでなく、経営課題である「生産性向上」と「売上向上」の両方に直結する包括的なソリューションであることです。これにより、導入の決裁がスムーズに進みやすいという評価をいただいています。
コミュニケーションの可視化だけでなく、会議内容についての”うろ覚え”の解消、情報共有の課題解決に役立ち、組織全体の生産性向上や意思決定の迅速化につながります。大手企業から中小企業まで規模を問わず、さまざまな業種で導入が進んでいるのも、このROI(投資対効果)の高さが理由です。
特に注目していただきたいのが、今年4月にリリースした「AI営業コーチ」機能です。この機能は商談や会議での発言内容を分析し、「どのフレーズが効果的だったか」「どのポイントを改善すれば成約率が上がるか」といった実践的なフィードバックを提供します。先行導入企業では営業成約率が15%向上するなど、直接的な売上貢献も実証されています。つまりワンミニッツは、費用削減、売上向上、そして聴覚障害者とのコミュニケーション支援まで実現できる、まさに『一石三鳥』のソリューションとして、企業が導入しやすいツールなのです。
—— 今後、聴覚障害者向けのツールとして、より使いやすくするために考えていることはありますか?
聴者とのコミュニケーションの場面では、スマホ版の改善です。
QRコードでの簡単な共有やタイピング入力対応ができれば、業務上のちょっとした会話や雑談などカジュアルな対話でも気軽に利用していただけるのではないかと考えています。
—— 業務利用の印象が強いのですが、個人でも使えるような場面、たとえばプライベートでの活用も考えていますか?私のような手話ユーザーが外出先、お店や市役所などで使えるのではと感じましたが、日常的なコミュニケーションへの活用について、どうお考えでしょうか?
現在はB to B向けですね。企業を対象としており、個人利用には正直対応していません。ただ、将来的には個人やプライベートでも使えるような開発も視野に入れています。個人ユーザーも安心して使えるためには、スマホ対応や、QRコード共有、タイピング入力機能など、さまざまな改善が必要だと考えています。
また、病院や役所、店舗などの窓口、受付への展開に向けたスマホ用機能の追加なども進めていきたいですね。
—— 最後に、聴覚障害者へのメッセージをお願いします。
聴覚障害者との出会いから、ワンミニッツが議事録業務の効率化だけでなく、情報保障やコミュニケーション支援として寄与していることを知り、大変嬉しく思っています。皆さんが楽しく日々の仕事に取り組み、一人ひとりが業務を円滑に進め、組織に貢献できるよう、これからも開発を続けていきます!ぜひ、ワンミニッツを利用した上で、改善点や気づきなどを教えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
—— ご協力いただき、ありがとうございました!
『ワンミニッツ』は、負担の多い議事録作成の業務支援を超えて、聴覚障害者とのコミュニケーションツールとしても活用され、高い評価を得ています。
今回の取材では、Zoomでワンミニッツの文字起こし機能を併用しました。リアルタイムで多少の誤字はありましたが、文脈から内容を理解でき、円滑なやりとりができました。私の発言は、タイピング入力を行いましたが、リアルタイムで確認できるため、お互いの状況が把握しやすかったです。このように、聴覚障害者の業務上で、コミュニケーションの円滑化にもつながっていると実感しました。
ワンミニッツのホームページには「導入事例」があり、各社の聴覚障害者の職場での活用場面が紹介されています。
また、2週間無料で試せる機能もあります。あなたの会社での導入を検討してみてはいかがでしょうか?
最後までご覧いただき、ありがとうございました!