コーダを育てる聞こえない・聞こえづらい親のインタビュー1人目

突然ですが、コーダを育てる聞こえない・聞こえづらい親の皆さんに質問です。

日々の育児の中での気づきや工夫、悩みとの向き合い方を吐き出せる場がありますか?

あると思いますが、情報がとても少ないため、孤独感を感じてしまうのではないでしょうか。

聞こえない・聞こえづらい親が聞こえる我が子を育てること、とても頑張っています。えらいです。

同じようにコーダの育児に悩む親たちが、
「自分だけじゃない」と感じ、少しでも心が軽くなって欲しいと思い、この企画を立てました。

まず1人目は21歳、17歳、13歳の3人姉妹を持つろう者の母、mayamamさんのお話はどれも貴重なものばかりです。ぜひ一読いただき、子育てのヒントとしていただければ嬉しいです。

目次

21歳、17歳、13歳の3人姉妹を持つろう者の母

――お子さんの年齢・人数を教えてください身の聞こえにつお子さんの年齢・人数を教えてください

mayamam

21歳、17歳、13歳の3人姉妹です。

長女が成人の時の集合写真

元気でいてくれれば、聞こえるかどうかはどちらでもいい

――聞こえる子(CODA)と分かったとき、どんな気持ちでしたか?
その後、気持ちの変化はありましたか?

mayamam

私は元気であれば、どちらでも良かった。
聞こえる子でも、私たちの元に来てくれたことが嬉しかった。

――聞こえるかどうかよりも、ただ元気に生まれてきてくれること。それが一番の願いですよね。

口話を中心に育ててきたが、コミュニケーションには限界を感じた

――子どもとのコミュニケーションで工夫していることは?
具体的なエピソードがあれば教えてください

mayamam

長女のときは、私自身が若くして出産したこともあり、「若い」という理由で偏見を持たれないように、きちんとしようという思いがあって口話をメインに育てていました。
しかし、コミュニケーションがうまく伝わらないこともあり、2番目、3番目の子どもは、手話も含めて子育てしていました。

――1人目は口話をメインにしていたが、コミュニケーションにズレがどうしても生じてしまいますね。
だからこそ、お互いに通じ合える「手話」の大切さを感じています。
我が家の言語についての記事にも書きましたが、口話だけでは難しさがあると感じています。


コミュニケーションをたくさん取るよう、日頃から意識していた

――子どもに対して気をつけていることは?(実際の場面などあれば) 

mayamam

小さい頃はいつも一緒に過ごしていたので、よく様子を見ていました。
(ちょっとした変化など)

またコミニュケーションをたくさん取るようにしていました。
今でも話をしてくれます。

――私たち夫婦は共働きで一緒にいられる時間は限られていますが、小さな変化に気づき、その都度コミュニケーションを大切にすることが、将来息子たちが自然と話しかけてくれる関係を築く鍵になると感じています・・!

mayamam

我が家はとにかく色々な体験をさせました。

五感を大切にすることを意識し、色々な場所や舞台、映画など体験できるところに行き、触って、見て、味わって、聞くことをたくさん経験させてきました。

音楽についても、人の手(ピアノの先生など)を借りて触れさせました。
耳が聞こえないから無縁という考えはなく、音楽にも触れさせてきました。

――「たくさん体験させること」がとても大切ですね。
YouTube自体が悪いわけではありませんが、スクリーン越しでは触れることができない分、“見るだけ”になってしまうのはもったいないと感じます。だからこそ、一緒に外に連れて行って遊ぶことを意識したいです。

こちらは前住んでいた場所が河原、田んぼが広がっていたので家の周辺をよく散歩していた。

我が子との日々では大変と感じたことはないものの、一歩外に出るとさまざまな壁や難しさに直面する

――CODAを育てる中で大変だと感じることは?また、それをどう乗り越えていますか?

mayamam

正直、我が子との間では大変と感じたことがないです。
ただ、外に出ると情報保障がないです。
常に何があるのか?とか確認したり、事前にわかるものがあれば前もって文章を見たりしていました。

――聞こえる人が暮らす社会では音声が中心になりやすく、情報を得ることに難しさを感じる場面も多いですよね。

我が子が発表の場で、手話を使って堂々と発表してくれた

――学校や保育園で印象に残っている出来事を教えてください (嬉しかったこと・困ったことどちらでも)

mayamam

3人ともみんな、学校の参観日で自分の発表の時に手話で発表してくれたことがとてもうれしかった。

――聞こえないお母さんに伝わる言葉で気持ちを伝えたい、そんな思いがあったのかなと思うと胸が熱くなりますね。

閉鎖された学校を使ってカフェをしていたので、その場所でカメラが好きな仲間たちと集まって仲間が撮影してくれた写真。
この時は本当にあちこち連れて遊びに出掛けていた。

保護者全員が集まる場での会話は、今でも難しさを感じている

――「聞こえる世界」と関わる中で、難しさを感じる瞬間はどんなときですか?

mayamam

部活動など保護者全員が集まる時に何の話をしてるのか?分からないので、会話に入れないのが今でも難しいと感じる。

――わかります。
次男はまだ1歳ですが、いずれ保護者が集まる場面も出てくると思うと、うまく参加できるか不安に感じることもあります。

次女が「わたしがそれを教えるために産まれてきたんだよ」の言葉

――CODAを育てて、子供から嬉しかったこと、感動したことなどエピソードを教えてください

mayamam

それぞれにたくさんのエピソードがありますが、その中のひとつを紹介します。

2番目の子が小学校高学年の時に、お喋りしていたら突然、“わたしね、パパとママのところに産まれてきたのは意味があるんだよ”と言い出して “どうして?”と聞いたら“ママとパパはお耳が聞こえないでしょ?言葉が難しいこともあるでしょ?わたしがそれを教えるために産まれてきたんだよ”と言っていて、それを聞いた私は鳥肌が立ったし、嬉しかったなぁ。

今でも本当にそうかもしれないなって思います。

――それは鳥肌が立ちますね!!

子どもを撮る機会は多いけれど、家族みんなで写る写真は、年齢とともにどんどん減っていく。
だからこそ、できるだけ撮ったり、撮ってもらうようにしていました。学校の近くには海があったので、そのあとみんなで水遊びへ(寒いのに…笑)

“役割”ではなく、その子自身を見ること

――同じようにCODAを育てている親へメッセージをいただけませんか?

mayamam

私は3人の娘を育てています。
「聞こえる子」だと分かったとき、 ただ、元気に生まれてきてくれたことが嬉しかった。
子育ての中で大切にしてきたのは、 “役割”ではなく、その子自身を見ること。 CODAだからといって、 何かを背負う存在ではなく、 ひとりの子どもとして関わること。 うまくいかないこともあったけれど、 たくさん話して、たくさん関わってきました。
ある日、子どもに言われた言葉があります。
「ママとパパに伝えるために生まれてきたんだよ」 その言葉に救われた。 でも同時に、強く思ったんです。
この子は、この子の人生を生きていい。 子育てに正解はないけれど、 大切なのは、役割ではなく“存在”を見ること。
向き合っている想いは、きっと伝わっている。
あなたは、ひとりじゃないです。

――ありがとうございました!
伝え方に正解はなくても、「伝えたい」「わかり合いたい」という気持ちは、どの家庭にも共通しているのだと感じました。その想いに、胸が温かくなりました。
           


mayamam/福岡県北九州市生まれ。宮崎在住22年。パン・お菓子作りや旅行、写真を趣味とし、現在は経験を積むため2店舗のカフェで勤務。クロト実行委員会を立ち上げ、聞こえる・聞こえないの垣根を越えた交流の場づくりに取り組む。今後はこども食堂の運営も視野に入れ、子育てに悩む保護者の支えとなる活動を目指している。インスタグラムのアカウントは@mayamamman

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この記事を書いた人

1997年千葉県生まれ。ろう者。
デザイナー・イラストレーター。
聞こえない長男と、聞こえる次男を育てる4人家族。
ろう者の視点から見た育児を、漫画にしてSNSで発信しています。

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