職場の合理的配慮、こんな感じで交渉しました 

職場の合理的配慮をどうやって交渉したか
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2026年春に転職しました

こんにちは、さかしたです。以前、合理的配慮についてご紹介しましたが、今年の春に転職したので、その際にどんな手順で事業所と交渉したか紹介したいと思います。

紹介の前に現状をお伝えすると、私は取得要件を満たさないため身体障害者手帳を持っていません。そのため障害者雇用率のカウントになる「障害者枠」での雇用ではなく、「一般枠」での雇用です。しかし、そのままで働くことは難しく、補聴器を使用し、事業所側の配慮が必要と考え相談しています。一般枠での就職ですが、仕事内容は障害者雇用に関するものなので、周囲の理解を得やすい環境だと思います。

転職前に受けていた配慮

転職前、いくつかの職場で働いていましたが、職場によって受けていた配慮は様々です。
話し合いで決まったものもありますし、働いていく中で“こうした方が良さそうだよね”と決まっていったものもありますが、10年程前に改正障害者雇用促進法が施行され、雇用分野における合理的配慮の提供が義務化されてから、相談しやすくなったように思います。

話はゆっくり、はっきり
地域によって方言があったり、話すスピードも違ったりします。難聴も理由ですが、北海道で生まれ育った私にとって今住んでいる大阪の言葉には、「めばちこって?」と聞き慣れない言葉もありますし、何年住んでも「知らんがな」のニュアンスは読み取れません。また、テンポよく話すというか、早口な方も多いように思います。
そんなやりとりを長年続け、一度だけ「大阪に住んでるんだから慣れないと」と断られたこともありましたが、「ゆっくり・はっきり話して欲しいです」と、一番最初にお願いするようにしていました。

執務室内の席について
当時働いていた職場は執務室に50人弱が働いており、人の出入りが多く、執務室内で会議や打ち合わせも行っていたため、最初は真ん中の方に座っていたのですが聞き取りにくいことが何度もありました。すぐに席を変更してもらうことはいろんな事情で難しかったため、人事異動のタイミングで、執務室全体が見えやすく、話し声が気になりにくい一番端の席に移動させてもらったことがあります。

会議室の利用について
執務室内で話すと、自分が話している人以外の声も拾ってしまい、特に大きな声の方が近くで話しているとその声しか聞こえない状態になるため、そういった時はちょっとした内容であっても、空いている会議室で話をさせてもらっていました。
補聴器の音量調整だけでは対応できなかったので、この配慮は非常に助かりました。

電話対応とメール
これは事業所へ相談して決まった配慮ではないのですが、外線がかかってきたと教えてくれる時に、相手先の所属やお名前を口頭説明だけではなく、メモに書いて渡してくれたり、打ち合わせの前に「この後話す打ち合わせの概要はこんな感じです。資料はこれです」と、メールを送ってくれる方もいました。
また、打ち合わせ終了後に話した内容をまとめてメールで送ってくれる方もいて、お礼を伝えると「たいしたことないです。自分用のメモなので」と仰っていましたが、自分もこういうことが自然にできる人になりたいなと思ったものです。

一方で、当たり前ですが働きにくい部分もありました。
私に確認することなく「さかしたは耳が悪いんです」と、気を使って善意で勝手に周囲へ伝えてしまう方です。

最終的には、その方々に「必要な時は自分で伝えるので、勝手に言うのはやめてください」と伝え、名刺に聴覚障害のことを入れ、最初からオープンな情報にして乗り切りましたが、業務で障害者雇用の研修会、特に合理的配慮について話をする際は、「合理的配慮は、個々の事情を有する障害者と事業主との相互理解の中で提供されるべき性質のものです。聴覚障害はこの配慮、うつ病はこの配慮と、決まっているわけではありません。話し合いが必要です」と、必ず入れるようにしています。

今の職場での合理的配慮の流れ

さて、春から働いている職場ですが、相談手順を①入社前、②入社1か月後に分けて書いていきたいと思います。
応募に関するやり取りや応募書類の中に難聴であることは書いていましたが、入社前に相談した内容はこんな感じです。

① 入社前
大きな声でというよりも、ゆっくり・はっきり話してもらった方が聞きやすいことを伝えた他、応募前に話をした際、固定電話がなく全てスマートフォンと聞いていたので、『外出時、雑音を避けてうまく話せるかな……』と不安に思い、私もスマートフォンを持つのか確認しました。先方からは、「非常勤なのでスマートフォンの支給はない」、「出張先に携帯する必要もない」と説明がありました。また、「外線・内線ともに他の方が出るから大丈夫」といった内容の説明もありました。

次に座席について、「話し声が気にならないよう、一番端の席に調整してもらうこともありました」と伝えました。この時、フリーアドレス制の部署もあり、“業務に支障のない範囲であれば、自由に場所を選んで大丈夫”という文化があること、周囲の音や声が気になる時は、会議室などの利用もできるといった説明を受けました。

名刺については、前職の名刺を見てもらい、同じように難聴のことを書いて良いか確認を取りました。特に問題ないということで同じ文章を使うことになりましたが、名刺にロゴや資格名なども入っているので耳マークが目立たず、もう少しどうにかできないか悩み中です。

② 入社1か月後
働いて1か月経ったところで、上長に相談の時間を取ってもらいました。
すごく困っていることはなかったのですが、入社が繁忙期と重なりみなさん忙しそうで、近くの席の方にしか難聴のことを説明できていませんでした。
そのため、かかってきた外線を取次いでくれる方の中には私が難聴だと知らない方もおり、うまく聞き取れるかプレッシャーを感じてしまい、「取次いでくれる方、全員へ伝えて欲しいです」とお願いをしました。「伝えて良いの?」と確認があり、気を使わせていたと反省しつつ、すごくほっとしました。

座席は端ではないですが、入口や執務室全体が見えやすい場所にしてくれました。
ただ、執務室でのオンライン会議や打ち合わせがかなり多く、右横でオンライン会議、後ろと斜め後ろで打ち合わせ、左横では電話中、正面もオンライン会議、といった状況。私にとっては、なにを言ってるかはわからないけれど、話し声は常時聞こえる”という状況になっていることを説明しました。その上で、そういった場合に入社前に話したように会議室を利用させてもらえることが、非常に助かっていることを伝えました。このやり取りの中で、会議室以外の利用できそうな場所を、追加で教えてもらうこともできました。

もうひとつ、配慮希望とは少し違いますが、会議であちこちに話が飛ぶ時がありついていくのが大変なことや、会議が延びて2時間前後になると聞くこと自体に疲れることなど、自分が苦手な状況についてもいくつか伝えました。組織文化があるので、なにかを変えるのは難しいだろうなぁと思いながら伝えましたが、知ってもらうことで気持ちが少し楽になったように思います。

上長が電話のことなどをどういう風に伝えたのかはわかりませんが、その後から同じ部署の方に難聴について聞かれ、話すことが増えました。

興味本位で聞かれたと感じることはなく、「誰の話し方や声が聞き取りやすいか」「会議の時に複数の人が話してるのは、どんなふうに聞こえるのか」など、理解しようとしてくれているように感じています。実際、会議の際にパソコンとモニターを使って、話している内容を共有してくれるようになった方もいて、聞き続ける負担がすごく減り、会議内容に集中しやすくなりました。

相談や交渉に必要なこと

補聴器を使う前から障害者雇用に関する仕事をしており、私自身が相談することに比較的慣れていること、事業所の理解があることが大きいと思いますが、『業務遂行に必要なのは何か?』という視点で話してくれるので、今までの職場でも相談はしていましたが、今回の事業所が一番相談しているように思います。

しかし残念なことに、全ての聴覚障害者が自分の状況を伝えられるわけではなく、全ての事業所が合理的配慮の提供に前向きなわけではなりません。私も慣れているとはいえ、補聴器を使い始めの頃はなにを伝えたら良いかわからなく、「これ伝えたら、わかりやすいかな」と補聴器屋さんや管理職の知人へ相談したり、対応してもらえなかった時に愚痴を聞いてもらったりした時期があります。

その経験から、ひとりで頑張るのではなく、第三者に入ってもらう方が良いと思っています。無料(交通費などは実費)で相談できる相談先をいくつか載せますので、自分の地域で相談できる場所を探してみてください。利用条件が合わない、対応した人と相性が合わないなどがあるかもしれませんが、客観的なアドバイスや、状況により一緒に交渉してもらえることは大きな支えになると思います。

ハローワーク |厚生労働省
地域によって名称が違うかもしれませんが、大阪だと各ハローワークに専門援助部門という窓口があり、障害のある方はそこで相談ができます。1~2週に一回、手話通訳士が利用できる日があり、自宅最寄りのハローワークで相談する形です。

障害者の方へ|独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構
各都道府県に1~2か所、地域障害者職業センターがあり、そちらで相談ができます。
機構ホームページにある「障害者 雇用事例リファレンスサービス」では、参考になる事例があるかもしれません。

障害者就業・生活支援センターについて|厚生労働省
障害者就業・生活支援センターは、就業と生活の両方をサポートしてくれます。
「障害者の職業生活における自立を図るため、雇用、保健、福祉、教育等の関係機関との連携の下、障害者の身近な地域において就業面及び生活面における一体的な支援を行い、障害者の雇用の促進及び安定を図ることを目的として、全国に設置されています(厚生労働省ホームページより)」

ワークライフ支援事業 | 公益社団法人 大阪聴力障害者協会 大阪ろうあ会館
大阪府の委託事業になり、全国で利用できるサービスではありませんが、大阪府の方は大阪ろうあ会館のワークライフ支援事業を利用することもできます。こちらは求職活動、転職、労働条件、退職手続き、健康問題、人間関係などに対し、相談助言をしてくれます。

楽天市場およびAmazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

職場の合理的配慮をどうやって交渉したか

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この記事を書いた人

補聴器を使いながら、障害者雇用の分野で事業所と障害のある方、
双方の支援を行っています。
悩むこともありますが、ペットの猫と遊ぶ時間が息抜きです。
どうぞよろしくお願いします。

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