障害者雇用率2.7%へ 義務化から50年──あらためて考えたいこと

左側に「障害者雇用率2.7%へ」サブタイトル:「義務化から50年──あらためて考えたいこと」右側には聴覚障害者がパソコンで仕事をしながら、同僚や上司が会話しているイラストがある。

皆さん、こんばんは✨

ニュースなどで「障害者雇用率」という言葉を見聞きしたことがある方もいらっしゃるでしょう。

2026年7月1日、民間企業の法定雇用率が2.7%へ引き上げられました。

今年は、障害者雇用が企業の法的義務となってから50年という節目の年でもあります。

この制度は、時代に合わせて見直しが重ねられてきました。しかし、その目的や役割について、あらためて知る機会はあまりありません。

この記事では、障害者雇用率制度の概要や現在の状況、そして数字だけでは見えない大切なことについて紹介します。


目次

障害者雇用率制度とは?

障害者雇用率制度は、障害者雇用促進法に基づき、企業や国、自治体などに一定割合以上の障害者を雇用することを求める制度です。

制度が始まったのは1960年。当時は企業に対して障害者を雇用する「努力義務」とされていました。

その後、1976年の法改正により、障害者雇用は企業の「法的義務」となり、障害者雇用納付金制度も創設されました。
今年は、この義務化から50年という節目を迎えます。

また、制度の対象も時代とともに広がってきました。当初は身体障害者が中心でしたが、その後、知的障害者、精神障害者へと対象が拡大されています。

さらに2024年からは、週10時間以上20時間未満で働く重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者も雇用率の算定対象となりました。

こうした制度の背景には、「障害の有無にかかわらず、一人ひとりが能力を発揮しながら働ける社会を目指す」という考え方があります。

障害者雇用はどこまで進んでいる?

障害者雇用は年々増えており、厚生労働省が公表した「令和7年障害者雇用状況の集計結果」によると、民間企業で働く障害者数は70万4,610人となり、22年連続で過去最高を更新しました。
身体障害者、知的障害者、精神障害者のいずれも前年より増加し、特に精神障害者の増加率が高くなっています。

一方で、法定雇用率を達成している民間企業の割合は、46.0%で半数には届いていません。

こうした結果から、障害者雇用は着実に進んでいる一方で、法定雇用率を達成できていない企業も法定雇用率を満たしていない企業も半数を超えていることがわかります。

数字だけでは見えないこと

障害者雇用率制度には大きな意義があります。

しかし、「法定雇用率を達成すること」だけが目的になってしまうと、本来の趣旨とは異なってしまいます。

例えば、

  • 本人の能力や希望に合わない仕事を任せてしまう
  • 障害特性に応じた合理的配慮が十分に行われていない
  • 入社後の相談や定着を支える体制が整っていない

といったケースでは、働く人も企業も力を発揮しにくくなります。

大切なのは、「採用すること」ではなく、一人ひとりの強みや経験を生かし、「安心して働き続けられる環境」を整えることです。

合理的配慮や業務の見直し、職場内のコミュニケーションを工夫することは、障害者だけでなくすべての社員にとって働きやすい職場づくりにもつながります。

実際に、障害者雇用をきっかけに

  • 業務の見える化が進み、誰もが仕事内容を理解しやすくなった
  • 社内コミュニケーションが改善し、雰囲気も良くなった
  • 多様な視点が商品やサービスの向上につながった

という事例もあります。

障害者雇用率の「その先」にあるもの

障害者雇用率制度は、障害のある人が働く機会を広げるための大切な制度です。

しかし、本当に目指すべきなのは、法定雇用率という数字を達成することだけではありません

誰もが安心して働き、自分らしく力を発揮できる職場をつくることは、障害のある人だけでなく、すべての人にとって働きやすい環境につながり、企業にとっても社会にとっても大きな価値があります。

義務化から50年を迎えた今、私たちは「障害者を何人雇用しているか」という数字だけではなく、「一人ひとりが安心して力を発揮できる職場になっているか」という視点も、これまで以上に大切にしていきたいものです。

障害の有無にかかわらず、互いの違いを尊重し、それぞれの強みや個性を生かしながら活躍できる社会。その積み重ねが、障害者雇用率制度の「その先」につながっていくのではないでしょうか。

制度はゴールではなく、より良い職場づくりへのスタートです。一人ひとりが能力や個性を生かし、安心して働き続けられる環境を育んでいくこと。それこそが、「その先」にあるものではないかと思います。

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この記事を書いた人

CODAの2人を育てる母として日々奮闘中。
読書とキャンプが大好きで、心地よいロケーションで本を読む時間が私の最高の癒しです。
週間デフニュースを中心に、さまざまな情報を発信しています。
よろしくお願いいたします。

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