聞こえづらいフットサル選手のFubukiです!
最近、猛暑が続いていますね。ニュースでは熱中症にかかり、救急車で運ばれてしまう方が増えているそうです。
聞こえない・聞こえづらい皆さんは緊急時の連絡の経験はありますか?また、交通事故や怪我をしている方などに遭遇してしまったとき、どんな方法で連絡していますか?
自分で電話するのは難しいから、近くの誰かにお願いしないといけない、、
自分が怪我してお願いできる状況じゃない時は、誰かが連絡してくれるのを待つしかない、、
そんな風に考えている方もいるのではないでしょうか?
自分や子どもが怪我してしまったり、身内や友人が突然倒れたり、子どもが夜に熱が上がってしまったりことを考えると不安ですよね…。
この記事では、そんな悩みや不安を解消をする、いつでも緊急時に連絡できるとっておきのサービスをご紹介します!
それは…
「Net119 緊急通報システム」(以下、Net119)
というサービスです。
このNet119は何かというと、
音声による119番通報が困難な聴覚・言語機能障害者が円滑に消防本部への通報を行えるようにするために開発された、音声を使わず文字で緊急通報が無料でできるシステムです。
24時間様々な緊急事態に対応しており、位置情報を共有しチャットを使ってやり取りして、救急車や消防車を呼ぶことができます。
この記事では、Net119について知らない方や、名前だけ知っていて気になっていた方に向けて紹介します。
そんな方に、このサービスの良いところを伝えるべく、利用者にインタビューしてみました!
今回インタビューする方は高橋さん(仮名)です。
高橋さんのプロフィール
・きこえる親を持ち生まれつき耳が聞こえない
・補聴器を付けずに生活している
・聞こえない二児を持つ母
高橋さんは、Net119を使って、生活が大きく変わったと言います。
そんな高橋さんに、Net119の魅力についてありのままにお話してもらいました。
Net119を知ったきっかけは何でしたか?
子どもが通っていた聾学校と市が連携した企画で、消防士の方が聾学校に来たので、その時に「Net119を登録しよう」という取り組みがあったことがきっかけで登録しました。また、私のお母さんも通っていた手話サークルの方からもNet119の存在を教えてもらいました。とにかく当時住んでいた市全体でNet119を普及しようとしていたと思います。ろうの子どもがいるので、登録したほうがいいと思って登録しました。
今は電話リレーサービスも普及しているけれども、それとはまた別で登録した理由は何ですか?
Net119を登録したのが大体5年前くらいの話で、その時の電話リレーサービスはまだ24時間対応ではなかったです(現在は24時間対応)。でも、Net119は24時間対応で、子どもが夜中に熱を出したりとか怪我してしまったりした時のことを考えると不安だったので、登録しました。
登録する手順についてはいかがでしたか?
当時は紙の申請書を提出した後、向こうからメールが届くのに少し時間がかかったのですが、メールが来てからはすぐに登録できました。今はメールでも申し込みができるので、スムーズに登録できるかと思います。(※事務手続きの詳細は、お住まいの市区町村にお問い合わせください。)
Net119に登録する前は、緊急時にどのように対応していましたか?
子どもが2歳の時に、夜中に高熱を出して救急車を呼んだ時は、たまたま家に聴こえる母が来ていたので、母が電話で救急車を呼んでくれました。自分で救急車を呼ぶって考えがその時はなかったです。元々救急車を呼んだ経験はあまりないけれど、もしNet119がなかったら、誰かにお願いすると思います。隣の家の人にお願いするとか、コンビニに行って店員さんにスマホで文字を見せて電話してもらうといった方法を取ると思います。
本当に緊急な時は、他の人にお願いできない時もあるから、それを考えると怖いですよね。
本当に怖いです。自分が家に1人しかいない時に倒れるということも起こりえますからね。Net119はアプリなのですぐに開くところが安心ですね。簡単だから、子どもが勝手に操作するのは気を付けないといけませんが。
実際にNet119を使われたことがあるんですよね?それはどういう状況だったんですか?
一回だけあります。私が料理をしていた時に、子どもが階段から落ちて頭を大怪我してしまったんです。Net119があって本当に良かったです。怪我をしたのが顔と頭だったので、本当に不安でした。
当時の状況について、頭が腫れていたので、すぐに救急車を呼ぼうと思ってNet119を開きました。すぐに繋がって、まずは「救急ですか?火事ですか?」という選択肢が出てきました。選択式なのですごくわかりやすかったです。次に「家ですか?出先ですか?」というボタンが出てきて、地図で位置情報を伝えられるようになっていました。次に今の状況の写真を撮って送って、怪我の情報などを伝えて終わりました。怪我の情報などもボタンを押すだけで本当に簡単に操作できました。最後に「呼びますか?」というボタンを押すと、押してから5分くらいで救急車が来て、あまりに早くてびっくりしました。
そんなに早いとは驚きですね。実際に使ってみて良かったところは何ですか?
24時間対応と選択式で操作が簡単というところです。緊急事態でパニックになってたら、慌てちゃって文字を打つのは難しいと思うのですが、選択式なのはとてもやりやすかったです。しかも、Net119だと救急隊員の人も耳が聞こえない人からの通報だということがあらかじめわかっているから、救急車が来て救急隊員の人がわかりやすく対応してくれました。こちらからわざわざ耳が聞こえないことを伝える必要がないし、事前に筆談の準備をしてくれて、コミュニケーションがスムーズだったから、それも良かったです。本当に他の人にもおすすめしたいです。
確かに救急隊員の方があらかじめ聞こえないのがわかっているのは良いですね。他の人におすすめしたい理由は何がありますか?
今は多くの聴覚障害者は電話リレーサービスを使っていると思います。電話リレーサービスを使って119を呼んだことがないから比較できないんですけど、Net119はアプリを開いたら、人を介さずにすぐに救急要請ができるのがよいです。あとは字幕もあるから、子どもも通報しやすいと思います。自分が怪我とかした時も、子どもに通報してってお願いできるのはいいですよね。
自分の身に何かが起きた時に、子どもにもお願いできるのは良いですよね。子どもだとどれくらいの年齢から使えそうですか?
ちゃんと親が操作の仕方は教える必要があるけど、文字の読み書きができるような小学生ぐらいだったらできると思います。
実際にNet119を使ってみて、使う前後で緊急時への不安の変化などはありましたか?
もちろんありました。子どもは本当に何するかわからないから、四六時中不安です。それを考えると本当に安心します。前までは、私は聴こえる人にお願いしなければならなかったですが、やはり気を遣ってしまいます。例えば、子供が夜中に熱を出すなど、どうしても救急車を呼ばざるを得ない事態になったら、夜中でも隣の家の人にピンポンして電話してもらおうと思っていたけど、それって気を遣いますよね。でも、Net119を使うようになってから、自分で出来るので、親としても家族を守れる安心感があります。
安心もそうだし、精神的にも変わりそうですよね。
メンタルは本当に変わります。さらに、Net119はチャットだから相手にちゃんと伝わっているっていうのがわかるので、連絡の最中も安心します。
緊急時だけでなく、日常生活を送る上でも心境の変化はありましたか?
昔、交通事故に遭ったことがあって、その時は相手にお願いして呼んでもらったから、そういう時も気を遣ってしまいました。緊急時でも誰かにお願いしないと無理だと思っていた自分が、Net119の存在を知ってから、その心配がなくなり、生活の質が上がりました。いつでも自分が家族や周りの人を守れるという安心感を持てて、自立できていると実感します。
では最後に、まだNet119に登録してない人に一言お願いします。
迷わずに登録することをお勧めします!家族を守るために、自分を守るために、まずは登録した方がいいと思います。
これでインタビューを終わります。ありがとうございました。
皆さんにもぜひ使っていただきたいです。ありがとうございました。
高橋さんからは、ただ緊急時の不安がなくなるだけではなく、日常生活の質も上がり自立できているという実感を得られたという意見までいただきました。自分の身に何かあった時にすぐ呼べるようにするために、自分で解決できるツールを用意しておくというのは、非常に大事だと思います。
このインタビューを見て、登録したいと思った方も多いのではないでしょうか?
登録の仕方は、メールと紙で申請する方法の2種類があります。 以下のPRサイトに詳しい説明がありますので、ぜひ皆さんも登録してみてくださいね!
自分はまだ緊急時の連絡を経験したことはないですが、自分の身に何かあった時のために登録しようと思いました。また、知り合いの方にもNet119の存在を伝えて、より広げていこうと思います。
大人だけでなく子供も使える便利なツールです。不測の事態のことを考えて、うまく活用していきましょう!(※全ての自治体でNet119が整備されているわけではないので、まずはお住まいの自治体にお問い合わせください)