考え方を増やし、ストレスに対処する ~はじめての認知行動療法2~

考え方を増やし、ストレスに対処する 初めての認知行動療法②
目次

はじめに

4月に「考え方を増やし、ストレスに対処する ~初めての認知行動療法1~」を書きましたが、試していただけたでしょうか。毎日いろんなことがありますが、ストレスが小さいうちにケアする習慣を一緒に作っていきましょう。

7つのコラムのうち、前回3つを紹介しましたが、今回は残りのコラムについて説明していきます。

できごと・気分・自動思考の次は「根拠」

前回、できごと・気分・自動思考まで説明しましたが、4つ目のコラムは「根拠」を書きます。

根拠には、自動思考を裏付ける事実を書きます。この時、相手の心を読むような憶測は避け、事実のみ記入します。例えば「きっと私が嫌いだから、仕事を教えてくれないに違いない」ではなく、「〇〇さんに仕事のことを質問しても、毎回別の人に聞くように言われ教えてもらえない」のように書きます。

その次は「反証」を書きます。自動思考と矛盾する事実を書きますが、根拠と同じく憶測は避け事実のみ記入します。私たちは自分の考え(自動思考)を正しいと思っているので、反証を書くには少しコツと慣れが必要になります。

“矛盾する事実なんてない”と思っても、じっくり考えると、「そういえば、〇〇さんが質問に答えてくれたこともあった。その時は今より人数が多く、みんなの業務に余裕があった」など、何かあるものです。見逃していることは本当にないか、もう一度考えてみてください。

さて、根拠と反証を書き出したら、次は「適応的思考」を書いていきます。自動思考とは異なる、“自分がしんどくならない考え”です。この適応的思考の考え方はいくつかあります。自分の考えやすいものを使って書いてみてください。また、やってみてうまくいかないと感じた時は、別の考え方を試してみましょう。

最後は「気分の変化」です。最初に「怒り30%」など書きましたが、その気分が変化しているか確認します。ネガティブな気分が全てゼロ%になっていなくても構いません。少しでも下がっていたら効果はあります。

この時、最初は「質問を教えてもらえない。悲しい、不安」と思っていても、コラムを書くうちに“〇〇さんは忙しくて教える余裕がないんだ。そんな状況は心配だな”と、新しい気分を感じることがあります。こんな風に、最初になかった気分を感じた場合は、その気分も記入してください。

実際に書いてみましょう

それでは、前回の例の続きを書いてみましょう。前回はできごと・気分・自動思考まで書きました。

4つ目のコラムは根拠ですが、繁忙期に追加の仕事を頼まれ、「自分はそんなに能力がないのに」と考えた根拠を書きます。憶測は避け事実のみを記入するので「時間がかかることがあるから、みんなそう思ってるに違いない」などではなく、「新しい業務を覚えるまで、他の人より時間がかかる」というように書きます。

その次の反証も事実を書きます。「自分はそんなに能力がない」という考えに矛盾するできごとを探します。例えば「何度も行い、慣れた業務であれば、間違いなく、継続して行うことができる」というような形です。繰り返しになりますが、反証が書きにくい方は冷静になって、ゆっくり考えて書くようにしてください。

その次が適応的思考です。①~③の方法で適応思考を書いてみます。

しかしでつなぐ

根拠と反証を「しかし」でつなぐと、「新しい業務を覚えるまで、他の人より時間がかかる。しかし、何度も行い慣れた業務であれば、間違いなく、継続して行うことができる」となります。

シンプルですが、「自分はそんなに能力がないのに」という考えと比べると、気持ちが楽になる感覚があると思います。

シナリオを書く

一番最悪のシナリオ:毎回、上司に新しい業務を指示される

一番最良のシナリオ:今後、新しい業務は一切ない

一番現実的なシナリオ:今後も繁忙期に新しい仕事を頼まれることはあるが、毎回ではない

最悪と最良は書けても、現実的なシナリオが書きにくいという方もいます。今までの経験も思い出しつつ、「現実的なのはなにか」を考えてみてください。

第三者の視点

ここでは、悩んでいる友人に自分が声をかけると考えて書いてみます。

私なら、「そうなんだね。それは大変だったね。でも、忙しい時に頼まれるということは、間違いなくやってくれると信頼があるからじゃない?間違う人にそんな時期に新しい仕事は頼まないでしょ」と、伝えるかもしれません。

この言葉を自分に言ってあげてください。人には優しい声かけができても、自分には厳しくなってしまう方がたくさんいらっしゃるように思います。

そして最後に、今の気分です。適応的思考を考えているうちに、「仕事をしていたら、やっぱりいろんな時期があるよなぁ。もう少し頑張ってみようかな」と、やる気に近い気分も出てきました。そう感じたら、今の気分に「やる気」を追加して書きます。

各コラムを書き出すとこんな感じになります。

適応的思考は例として①~③を書きましたが、書きやすいものを使ってください。私はあるタレントさんの「自分でコントロールできないことは気にしない」という考え方が好きなのですが、その方を第三者の視点に登場させると、大抵「気にしすぎよ」とアドバイスされる気がして、否定された気持ちになりすっきり解決しません(笑)

こんな風に“上手くいかないぞ”と思った時は、別の方の視点で考えるか、自分がアドバイスする側になって考えるか、シナリオなど他の方法を試してくださいね。

おわりに

2年ほど前になりますが、業務中のストレス対策、セルフケアについて書いたことがあります。

認知行動療法はセルフケアの一つでもあり、できごとに対する見方や受け止め方を変えることでストレスを軽減します。“今がうまくいってないから、変えなければならない”のように、今もう既に頑張っている自分を否定して行うのではなく、“より良くなる方法を取り入れてみる”と、気軽に前向きな気持ちで取り組んでいただければと思います。

聴覚障害を含め、なんらかの障害があるとストレスを感じる場面はどうしても増えます。そんな時に冷静に、視野を広げ考えることで気持ちが楽になればと思います。少しでも気持ちが楽になるよう、応援しています。一緒に頑張りましょうね!

参考資料

厚生労働省:心の健康 |厚生労働省

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考え方を増やし、ストレスに対処する 初めての認知行動療法②

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この記事を書いた人

補聴器を使いながら、障害者雇用の分野で事業所と障害のある方、
双方の支援を行っています。
悩むこともありますが、ペットの猫と遊ぶ時間が息抜きです。
どうぞよろしくお願いします。

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