聞こえない子どもをもつ聞こえない親の社会復帰について

こんにちは。ユキです。初めての投稿になります!

現在、聞こえない小学生を育てている、聞こえない親です。

今回のテーマは『聞こえない子どもをもつ聞こえない親の社会復帰について』です。

時代は令和になり、働き方が見直されているなか、

健常者(障害のない方)でさえ仕事と子育ての両立が難しいと言われている世の中ですが、

聞こえない子どもを持つ親は、それ以上に仕事と子育ての両立が厳しかったり、

社会復帰がかなり厳しかったりするケースが多いかもしれません。

聾学校の幼稚部を選んだ理由

私は聞こえない子どもたちが生まれる前までは

約10年間大手企業の正社員をしていました。

2人の子どもを出産し、合計約4年間の育児休業を取得しました。

地域のこども園へ預けて職場復帰することを考えましたが、

子どもたちは「手話を必要とする聞こえない子」です。

地域のこども園の共通言語は音声日本語なので、

手話環境が全くなく聞こえない子どもに情報が入らず、

一番大事な時期の言語習得が難しくなってしまうと懸念したため、

聾学校の幼稚部へ入る以外の選択肢が考えられませんでした。

退職をした理由

日本の聾学校は全国で公立・私立含め108校あり、聾学校によって違いますが、

聾学校の幼稚部は登下校時間(預かり時間)がこども園や幼稚園と大幅に違う印象があります。

あくまでも、一般的な時間で大まかではありますが、

それぞれの保育時間をまとめました。

登園(登校)退園(下校)保育時間
聾学校の幼稚部(我が家の場合)9:3013:304時間
幼稚園8:30〜9:3014:00〜4時間〜
認定こども園7:30〜9:3016:30〜18:304時間〜11時間

認定こどもの園の場合、保護者のフルタイム勤務の方を想定した上での

設定になってるため8時間以上の利用時間が可能です。

そして聾学校の幼稚部は、登校時間が遅く、下校時間が早いことがわかります。

更に聾学校の幼稚部は、聴覚障害児についての理解を深め、家庭での関わり方を学ぶことを目的に

幼稚部での活動参観を推奨してるところが多いです。

活動参観と送迎時間のことを考えると、とても働ける状況ではなかったので、

勤務先に事情を説明し、介護制度等をダメ元で申請してみるも、対象外でした。

時短勤務制度でさえ、聾学校の登校と下校時間の関係(保育時間がとても短い)で

働ける状況ではありませんでした。

そのため、私は育休が終わる頃にやむをえず退職をしました。

当時、いろいろ思うことはありましたが、

10年経った今となっては、大事な時期でもある乳幼児時代を

親子でずっと一緒に過ごせてよかったと感じています。

聾学校幼稚部で子どもの成長の様子や活動を数年間、継続的に間近で見ることができる体験は

聾学校以外ではできなかったと思います。

そして子育て時間が十分あったため、同じ境遇の友人(聞こえない子どもを持つ親)と情報交換するなど

結果論になってしまいますが、今となっては貴重な時間を過ごせたと思っています。

聞こえない子どもが就学しても安心して社会復帰できない理由

幼稚部時代が終わり子どもたちが聾学校小学部に進学し、

子育てがようやくひと段落したことをきっかけに、

社会復帰もしくは就職活動を始めようとしても、

子どもの聾学校までの自力通学に向けての

通学練習の付き添いをしなければならない時期がやってきます。

地域の小学校と違って聾学校はそれぞれの自宅から距離があるので

1〜2年生はまだ親の送迎が必要になります。

そして3、4年生ぐらいになると自力通学に向けて

交通機関を利用しての通学の練習が始まります。

そのためまず保護者が、自力通学ができるようになるまで

通学の練習の付き添いが必要になります。通学の付き添いだけでも

かなり時間を要するため、働く時間が限られてしまいます。

子どもたちが自力通学できるようになるのが高学年になるごろで、

ようやく社会復帰に向けてバイト・パート探しなどの就職活動ができるようになります。

しかし障害者枠でも、障害者以外の一般枠でも書類審査通過率20%と言われています。

そのため聞こえない子を持つ聞こえない親の社会復帰が遠のいてしまうことも珍しくありません。

子育てと仕事の両立をするために個人ができる対策

私の時は、コロナ前で、テレワークがほとんど普及していなかった頃でしたが、

現在はテレワークの恩恵を受けて、どうにか子育てと仕事の両立ができている

聞こえない子をもつ親が増えているように思います。

聾学校の控え室でテレワークをする保護者の話も聞いたことがあります。

手話のできる保育士がいるこども園がもっと増えると助かりますね。

聞こえない子どもを持つ親が、子育てと仕事を両立するために

個人ができる対策としては、テレワークへの切り替え、フリーランスになる、

テレワークが可能な会社を探す、勤務先と相談、ファミリーサービス利用、

ろう難聴児向けのデイサービス利用、そして身内や親族の協力を求める、などの工夫が必要になりますが、

社会からの積極的な仕事と子育て両立支援策がない限りなかなか厳しい状態です。

少しでも多くの人に知ってほしい!

以上のように、聞こえない子どもを持つ親がぶつかる社会復帰の壁についても

案外、知られていないため、このブログを通して少しでも多くの方に知ってほしいと思い、

執筆した次第です。

聴覚障害者のための”求人サービス「グラツナ」に期待していること

余談ですが、私は現在、株式会社方角でアルバイトとしてフルリモートで働いています。

方角HP:https://hogaku.co.jp

SNSでたまたま見つけた、グラツナ(聴覚障害者のための求人サービス)で、株式会社方角の求人を

見かけて応募したのがキッカケでした。

グラツナは方角が作った聴覚障害者のための求人サービスであり、個人的にかなり注目しているコンテンツです。

ちなみに聴覚障害者のための求人サービスは日本でもグラツナしかないです。

グラツナHP:https://gratuna.com/

なんと、現在働いてる方角が、聞こえない子どもをもつ聞こえない親の社会復帰時にぶつかる壁を

取り除いてくれました。社長に相談し理解を得た上で、聾学校送迎時間や通学練習の付添に要する時間を考慮し、

シフトの調整が可能であること、リモートなので子どたちが家にいても家族の協力を得て業務に集中できる、など

働きやすさをすごく感じています。おかげさまで楽しく働かせてもらってます。

グラツナのような聴覚障害者向けの求人が増えて

聞こえない子どもをもつ聞こえない親の社会復帰・社会進出が

これから進んでいくことを願っています

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