今月から新たな連載、『世界のデフニュース』をスタートします!
先週、弊社方角が世界のろう者・難聴者に関するデータベースサイト『World Deaf Data Base(略:WDDB)』をなんと無料で公開しました!
WDDBサイトURL ⇨ https://wddb.net
WDDBに世界各国の有益情報がたっぷり詰まっているのでキコニワ読者のみなさまにシェアしたいと思ったのが、
『世界のデフニュース』を始めたキッカケとなりました。
記念すべき初回のテーマは『世界の電話リレーサービス』です!
私は耳が聞こえないので、『電話リレーサービス』を最多で週7回ぐらい使用するほどのヘビーユーザーです。
多くの聞こえないユーザーが利用しているこのサービスについて私の体験談を交えながら、ご紹介します。
まず国内の便利なサービスについてご紹介します!
最近起きたことでいえば、休日に遠出をしている時に突然車のバッテリーが上がり、
車が動かなくなってしまい、電話リレーサービスが大活躍してくれました!
ちなみに車に関するトラブルが起きたときは、聞こえない人にとってはJAFのアプリがすごく役に立ちます。
JAFアプリURL⇨https://jaf.or.jp/common/app
JAFアプリ内のチャットで文字でのやりとりがサクッとできるのです。
もちろん、今回車のバッテリーが上がった時もそのアプリでJAFを呼びましたが、
三連休の真っ最中ということもありJAFの到着が約2時間後になる上に、バッテリーの在庫がないとのことでした。
その代わりに応急措置をしてエンジンを切らずに家に帰れば大丈夫だと言われましたが、
自宅が200キロも先なのでバッテリーを交換しないと不安があったため、
急いで電話リレーサービスを使ってバッテリーの在庫がありそうなディーラー店に相談しました。
ディーラー店がたまたま近くにあったのでこちらまで来てもらいバッテリーを交換し、
無事に安心して自宅に帰ることができました。
連絡がついたとき、ディーラー店の閉店時間ギリギリだったのでもし電話リレーサービスがなければ、
その日のうちに自宅に帰れなかったかもしれません。
JAFのアプリも便利ですが、
今回は改めて電話リレーサービスのありがたみをひしひしと感じました。
公式ウェブサイトURL⇨https://www.nftrs.or.jp/
<参考記事>『利用者インタビューシリーズ:わたしはこう使う「電話リレーサービス」』URL⇨https://www.nftrs.or.jp/columns/interview1
こちらでもそれぞれのユーザーがサービスの利便性について語っています。
他に『プラスヴォイス』という代理電話サービスというものがあります。
公式ウェブサイト⇨https://plusvoice.co.jp/service_kojin/proxy_phone.php
ちなみに私はプラスヴォイスの「遠隔手話通訳サービス」のユーザーです。
コースがいくつかありますが私は「❸遠隔手話通訳お気軽1コインコース 月額550円(税込)+α円」を利用しています。
特に外出先などで筆談でのやりとりが大変だと感じた時にこのサービスを使うことがあります。
スマホさえあればどこでも利用できるので利便性は高いと感じています。
盲ろう者向けの電話リレーサービスが海外にあることを知ってますか!?
同じようなサービスが世界でどれだけあるか調べたことがありますが、
196カ国中、緊急通報システムも含め、おおよそ40カ国に同じようなサービスが存在していることがわかりました。
(公共インフラとして提供されているのは25カ国)
そして、スウェーデンで盲ろう者向けの電話リレーサービスのアプリが存在していることを知りました。
出典元⇨https://nwise.se/solutions/deafblind-telecommunication-apps/
『myMMX db』の機能について
・テキスト、ビデオ、音声による通話が可能
・背景色、テキストのフォント・サイズ・カラーの調整が可能
・テキスト速度の調整、一時停止が可能のため、個人のペースでリアルタイムでテキストを読むことが可能
・テキストを後で読むことが可能
・拡大読書器や画面読み上げ機能との併用が可能 等
この『myMMX DB』のアプリはスウェーデンだけでなく米国でも利用可能とのことです。
出典元⇨https://nwise.se/nwise-launches-unique-iphone-communication-app-for-the-deafblind-community-in-the-us/
このアプリはとても画期的で、驚きました!
世界有数の福祉国家として知られているスウェーデン、さすがですね!
当たり前ですが、聞こえない人にとって
電話リレーサービスは『命綱』でもあるので、先ほどのスウェーデンの盲ろう者向けの
アプリの登場で救われる盲ろう者が多いことが容易に想像できます。
しかし、未だに電話リレーサービスがない国が圧倒的多数なので
世界の全ての国に電話リレーサービスが当たり前のように存在していたらどんなにいいだろうと思います。
次回の世界デフニュース予告:『世界のろう学校の数』 by:WDDB編集部 https://wddb.net