結婚式の手話通訳派遣ってわりとハードル高いねん問題

みなさんごきげんよう、あしゅらんです!
こないだ友人の結婚式にお呼ばれして参列してまいりました~!

目次

冠婚葬祭!人生における一大イベント!

その中の一つである『婚』。ライフステージでも大きな転換になりうるイベントですね!

わ~い!ぱちぱち~!おめでとう~!友人~~!

今回結婚式を挙げた友人夫婦はどちらもろう者で、自ずと参列者の友人席はろう者や手話ユーザー(ご両親、親戚などの聴者含む)で埋め尽くされていました。
参列者の半数以上の会話に手話が飛び交っており、静かで賑やかな素敵な披露宴になってました!
とても楽しかったなあ、素敵だったな~と、今でも余韻に浸っております。
ちなみに、今回の披露宴では手話ユーザーがかなり多かったので、そこまで困らなかったのですが、友人夫婦の親族の中には手話ユーザーではない方もいらっしゃいました。

となると、ここでの手話通訳や情報保障問題はどうなるのでしょう。
マジョリティとマイノリティが混じっている結婚式。
聴者がマジョリティだと、ろう者のために手話通訳の配慮が必要!と思われがちですが、
今回の結婚式はその!!
なんと「手話ユーザーではない聴者」がマイノリティだったのです。笑

聴者の話をろう者が公平に理解し、そしてろう者の話を聴者が理解できるようにすることも重要!
それを助けてくれる手話通訳はろう者のためだけでなく、聴者のための配慮でもあるんですよね~!手話ユーザーのろう者、難聴者、聴者との橋渡し役が「手話通訳」なのです。
…ただ、そんな手話通訳を呼ぶのは実はハードルが高かったりするのです…。

手話通訳をもっと気軽に呼びたい…!

さて、ここで『結婚式に手話通訳を呼んだことがある』という人はどのぐらいいると思いますか…?
…意外と少なかったりするものです。なぜならば…

自治体による手話通訳派遣には制約が盛り沢山!!なのです!!!!!泣

ぶっちゃけこの制約のせいで手話通訳を呼ぶのを諦める方多いのでは…!?かなり気軽には呼びづらいのです。
ネットで調べてもなかなか出てこない情報ですし、そもそも冠婚葬祭の機会は頻繁にあるわけではないのと、ろう者が複数人いる場で手話通訳を呼ぶという事例そのものを知る機会が少ないのも一因ですね…!

手話通訳派遣の制限と条件とは…?

まず自治体によって派遣できる範囲や制限のルールが異なるのですがおおまかに記載すると…

①その自治体(市区町村)に住んでいる人のみ!

⇒その自治体に住んでいない人は基本的に使えない。住んでいるところを跨ぐ場合の利用は派遣不可だったりすることが多い。(※例:関東在住で名古屋には住んでないけれど、名古屋で結婚式を挙げるから手話通訳を呼びたいと思っても「あなたは名古屋に住んでないので派遣NGです」ということになる)
ただしこれは自治体や担当者によって対応や記載が異なる

②障害者手帳が必要!

⇒手帳を持っていない難聴者や聴者でもすぐ呼べるかどうかが不明瞭なことも。
これも自治体や担当者によって対応や記載が異なる

③申請者本人(ろう者・難聴者)の生活に関係することだけ!

⇒生活に関係あるか無いかどうかの基準はかなりバラつきあり。病院、役所手続き、自治体地域内での冠婚葬祭などはOKであっても、離れている地域の大学のオープンキャンパス、講演、娯楽イベントなどの企画だと派遣NGとなることも。これも自治体や担当者によって対応や記載が異なる

④4時間未満は2名まで手話通訳派遣可能。もし4時間超える時は3人以上の手話通訳が必要。

⇒これも自治体や担当者によって対応や記載が異なる

⑤当日予約は基本的に不可。緊急時はちょっと厳しい時もある

⇒役所仕事なのでだいたい9時~17時までの受付。当日予約は基本的に難しいが、まれに緊急時のみ24時間体制で手話通訳派遣OKな自治体もある。これも自治体や担当者によって対応や記載が異なる

⑥交通費要負担。旅費、入場料など要負担だったりする。

⇒通訳者の分も払うべきか否か先方と交渉次第になってしまうところも。
これも自治体や担当者によって対応や記載が異なる

……と、いろいろと制約がある上に、全て自治体によって対応や記載が全く異なっていることもあり、利用者からするとややこしいのです。

参考:緊急時のみ24時間対応OKの自治体もあり↓ ※藤沢市

手話通訳派遣の申請項目について

手話通訳派遣申請書には「派遣日、通訳時間、依頼内容、待ち合わせ場所、通訳場所、その他」などを記入する必要があり、たいていは1~2週間前に事前申請が前提。
依頼内容と待ち合わせ場所などの基本的なことから、事前打ち合わせまで細かく書かないといけないし、この部分でちょっと気軽に「通訳頼みたいな!」と軽い気持ちで申請できる雰囲気ではないな~と思ってしまうのです。
当日どのように通訳するか、どこまで通訳していくかも、その手話通訳者の裁量次第。派遣で来る手話通訳者は技量や情報量にかなりばらつきがあるのが当たり前で、そのすり合わせも大変なのです…。正直、手話通訳はガチャなのです

詳しい申請内容を知りたい人は各自治体の「意思疎通支援事業(手話通訳者・要約筆記者の派遣)」チェックしてみて下さいね!

結婚式の事例ケースについて

結婚式となるとやはり、特にしっかりと準備を重ねたいということもあり、あまり見知らぬ手話通訳を呼ぶよりかは、知り合いの手話通訳者に頼むことが多いようです。
手話通訳との相性が一番大きいので、ある程度意思疎通ができるような手話通訳者を見つけておくというのも一つの手ですね。
(特に自治体からの手話通訳だと事前に打ち合わせがやりづらいため、その面で知人の手話通訳に頼る場合も多い)
また、新郎新婦が手話通訳を手配するケースの他にも、参列者が手話通訳を手配するケースもあるのですが…かなり少ないとは思われます。

友人夫婦の事例

名古屋あたりの某市では、ろう者1人につき1人までの手話通訳派遣というルールがあるようで、今回は夫婦共にろう者だったので2人の手話通訳派遣となったそうです。ただし基本的に夫婦2人の為の通訳であって、「参列者のろう者のための通訳はしない」と言われたようです。
このように臨機応変に対応して貰えないというのも自治体派遣手話通訳の問題ではあると思いますね…。
そこで友人夫婦は知人のツテで、フリーの手話通訳者(※自治体には登録せず個人で活動している手話通訳者のこと。いわゆる野良手話通訳者)に依頼し、事前に打ち合わせを重ねていったそうです。(その方は結婚式通訳の経験も豊富で、事前打ち合わせ時に色々助けてくれてとてもスムーズだったとのこと…)
当日は市からの派遣手話通訳者2人+フリー手話通訳者2人の4人体制にて進めたところかなり満足して行うことができたそう。もちろんフリーの手話通訳者にも交通費+謝礼をお支払いしたようです。
臨機応変に対応ができるフリーの手話通訳者はやはり重宝されがち!

新郎新婦

やっぱりわたしたちの”気持ち”をよく理解してくれてる人にぜひ頼みたい!

知人の手話通訳であれば、二人の性格や、関係もよく分かっている場合が多いので、通訳時にニュアンスや抑揚のリアリティがあって温度感が伝わりやすいみたいですね!

手話ユーザーや参列者、司会進行のための手話通訳と、新郎新婦のための手話通訳がいる図

参考:手話通訳のご依頼を受けるにあたって 『結婚式』  公益社団法人 大阪聴力障害者協会
https://daicyokyo.jp/roua/wp-content/uploads/sites/2/2016/04/slhaken_info5_201304.pdf

その他の方法

東京手話通訳派遣センターの派遣制度を利用する

こちらの手話通訳派遣センターに依頼を行うと都民や都内エリア限定ではなく、県外に住んでいる方でも派遣も可能。また、要約筆記者も派遣可能。交通費の別途要求は無いので気兼ねなく呼べるのですが、料金を見てみると個人で負担するには少しお高め…。(場合によっては相談に乗ってくれるかもしれませんが)
こちらの料金表を参考にしつつ、個人で謝礼金の交渉など行い、フリーの手話通訳者に頼むことも検討すると良いかもしれませんね。

遠隔手話通訳

個人で遠隔手話通訳を依頼するサービスもあるようです。
こちらも料金がお高めになりやすいものの…
手話通訳派遣の制約をクリアできそうな部分もあり上手く活用できれば良さそうだとは思いました!

結婚式関連のバリア他事例紹介

友人

弟が結婚することになったため、「急遽、北海道の実家で顔合わせに参加して欲しい」と言われた!
コミュニケーションの問題で相手方にも気を遣うし、そもそも自分がメインではない場に外部の人である手話通訳を入れてもよいのか迷った。
それにすぐに手話通訳を呼べる環境ではないことも大きい。そもそもどこに依頼すればよいのか…。
それなら手話通訳の代わりに文字起こしアプリを使うか、それとも両親に都度聞く…?など考えたら面倒になり、最終的にその顔合わせは断った

なかなか難しい問題ですね。…もしも、ここで「家族ぐるみで元々お付き合いのある手話通訳」をすぐ呼ぶことができたら解決する可能性もあったのでは?とも思うのです。仲人のような立場の手話通訳がいるといいですよねえ…。
これはある意味「ディナーテーブル症候群」によるバリアとも言えますね…
(ディナーテーブル症候群とは…聴者の家族の中にろう者が一人だけいるとき、会話の内容が分からなかったり、会話に参加したいのに参加できず疎外感を感じること)

手話通訳呼ぶのってやっぱりハードル高いね…!

色々調べたり、友人たちにも聞いたりしてみたのですが…
やはり結婚式に限らず、全体的に手話通訳を呼ぶこと自体のハードルが高いですね…
手続きや条件をいちいち自治体のルールに照らし合わせて考えるのがちょっと大変なうえ、呼ぶまでにも制限が多くて気軽に呼べないのはなんだかなあ、と思うのです。

あしゅらん

助けて~~!

もう仕方ないなあ……あしゅくん。ハイ、手話通訳~!!

こんな感じで0.03秒で手話通訳手配できる社会にならないかな…!笑

まとめ

今回の記事では結婚式での手話通訳について紹介させて頂きました!
0.03秒ですぐに手話通訳手配できる社会はまだまだ遠いとは思うのですが…現実的に考えたところ、理想はこんな感じですかね?皆さんはどう思いますか?

  • 自治体の手話通訳派遣における制限の緩和化
    (いつでも、どこでも手話通訳を呼べるようになってほしい~~~!)
  • 遠隔手話通訳サービスを各自治体が行えるように設置!
    (これで自治体の手話通訳不足や人材不足問題も解決!)
  • 自治体の手話通訳やルールでカバーできないところはフリーの手話通訳者で臨機応変に対応!
    (細かいところをカバーできる手話通訳者が増えることで更にニーズも!)

そして、「結婚式で手話通訳呼んだよ~!こんな工夫してたよ~!」という方や、「こういう場面で遠隔手話通訳使ったよ!」という方、「えんかく+」などのその他サービスを使ったことある方いましたらぜひ感想教えてください!
キコニワの問い合わせフォームへのお便り募集してます!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました~!

楽天市場およびAmazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

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この記事を書いた人

<あしゅらん / Asyuran >
ライター/デジタルクリエイター/デフファミリー生まれ
アウトドアなインドア。
アウトドア系の話題からインドア系の話題までゆるく発信します!
1週間半で世界一周したりフッ軽になったりフッ重になったり
趣味で映像作ったり漫画描いたり絵描いたりしてるただの事務職社会人です。

【近況】最近〆切に追われて呻いてたら友人から「〆切本」を頂きました。

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