手話で、世界と話す。

こんばんは!キコニワライターのこゆんです。

大盛況だったデフリンピックから、もう1ヶ月が経とうとしていますね。

実は、私は日程が合わず現地には行けなかったのですが…
画面越しでも圧倒的な熱量でしたね!!


声ではなく、“意志”でつながる光景が
何度も映し出されていました。

試合前の作戦会議、勝利の瞬間に抱き合って笑う姿、
「ミルオト」が生み出したスポーツの音や雰囲気を可視化する技術。

音より強いものがあるのだと、自然と気づかされました。

スマホ越しにその光景を見て、
改めて思いました。

世界は、音だけでできているわけじゃない。

今日は、そんなデフリンピックの余韻から続くテーマとして、
「手話で世界と話す」について、私自身の経験を綴ります。

目次

英語は好きだった。でも会話する未来は見えなかった

中学校・高校の頃、私は英語が好きでした。

テストの点はそれなりに取れており、
文法や単語を覚えるのも苦ではなく、楽しいものでした。

しかし、外国人と話す未来はまったく想像していなかったのです。

日本語の習得にさえかなりの年数を費やしたからこそ、
英語はもっと時間がかかると悟っていました。


留学に行った友人を見て
「聞こえない私が会話するのは無理だ」と、
どこかで結論を出していたのです。

「読み書きさえできればいい」

そんなスタンスで距離を置きました。


単語を覚えるのは楽しいのですが、会話となると
自分の中でシャッターが降りたままです。


英語が嫌いだったのではなく、
できない未来を先に悟りすぎていたのだと思います。

しかし、本音は違いました。
英語は話せないと思っていたのに、やっぱり話したかったのです。


“無理”と“やりたい”が同居していることにさえ、
気づかないようにしていました。

自分の中の矛盾に気づいたインドでの衝撃

その矛盾と向き合う決定的な出来事が起きたのは、
インドに行ったときのことです。


生まれて初めて異国の空気に触れた私は、
日本語以外のコミュニケーションをどう取ればいいのか
それは怖いものでした。

街の異常なざわめき、慣れない匂い、人の波。


自分の言語が届かないカオスな所にいるというだけで、
不安が音もなく押し寄せていたのです。

そんなとき、同行していた初対面の仲間が
英語で現地の人と楽しそうに会話している姿を目にしました。

翻訳機を通さずに言葉が通じ、笑い合い、縮まっていく。


その状況を見た瞬間、胸の中で抑え込んでいた
気持ちが弾けました。

「私もつながってみたい、楽しんでみたい。」

声を出さなくてもいい、と気づかせてくれた手話

そのときです。
仲間がこう聞いてきました。

こゆんってさ、手話できるの?


そこで、ふと

あれ?話すって、口から音を出すことだっけ?

そう思いながら、できるよ、と仲間に手話を教えていると
だんだんと、手話の存在が現実味を帯びてきました。


聞こえなくても、発音ができなくても、国が違っても、
それでも人とつながる方法があったじゃないですか。


表情と手と身体で会話が成立する言語です。

小さい頃にその言語を通して、音のない静かな世界の中でも、
ちゃんと笑い声が響いたような時間が確かにありました。

外国語を口から発するのが無理なら、手話で外国の人と話せばいい。


その考えが浮かんだ瞬間、急に世界が広がったのです。

“できないから終わり”じゃなくて、“別の道で行く”。


そうやって扉を開けていいのだと気付かされました。

発音ができなくても、世界と話せないわけじゃない。
つながり方は一つじゃない。

大事なのは「できるかどうか」より「つながりたいかどうか」。

その気持ちさえあるなら、扉はいくつだって選べる。
手話はそのひとつでした。

手話は国境を越えられる言葉

友人を通じて、ある文章に触れました。

「世界で一番美しい言語は手話だと思う。
声がなくとも、心は響く。 音がなくとも、祈りは届く。
言葉とは、本来『伝えたい』という純粋な衝動から生まれるもの
だと彼らを見て 気づかされた。


私は手話を使えるようになったら、
彼らの心が聞こえるようになった。


耳が聞こえないからこそ世界と繋がる方法を
諦めなかった人たちがいる。


静寂の中で育った感情は時に音より強い。」 古屋祐輔Instagram

これを読んだとき、私は高揚したのです。

全て口話で話そうとしなくてもいい。
声じゃなくてもいい。
耳じゃなくてもいい。
国が違ってもいい。

その先にあるのは、
ただ「伝えて歩み寄る」景色なのだと。

そして私は改めて確信しました。

その道がダメなら、別の道で行けば良いだけ。

手話で世界と繋がる、そんな選択があっても良いですよね🌱

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