心で聴く介護

みなさん、こんばんは!
ライター兼介護士のこゆんです!

これまで過去の経験談をお話ししてきましたが、
今回は、今のお仕事について書かせていただきました🌱

難聴のある私が介護の仕事なんて、できるのだろうか..?

そう思っていた私が、実際の仕事を通して気づいたのは、

「聞こえないからこそ、見えるもの、感じられることがある」



ことでした。

利用者さんの表情しぐさ漂う空気の変化
それらが、声よりも正確に“心の音”を伝えてくれる瞬間があるのです💚

今日は、そんな“心で聴く介護”についてお話しします🌱


目次

公務員時代に感じたズレ

以前、公務員として働いていた頃の私は

「ルールに従って正確かつ迅速に動くこと」

を求められていました。

上司の指示を聞き違えないように集中し、
ミスなく処理を進めようと神経を張りつめていた日々です。

静かなオフィスでは、以下のような問題が生じていました。

  • 音は聞こえているのに言葉がすっと入ってこない
  • 指示の受け取りにズレがある
  • 伝達に時間がかかる

気づけば仕事は滞り、
次第に人と話すことさえ怖くなっていったのです。
1日を通して、あまり声を出さないことも…🌀

今思えば、それは“聞こえづらさ”“理解のズレ”が原因でした。

そして、

自分の大事にしたい価値観を貫き通せないこと

に、歯痒さを感じていたのだと思います。

聴く力を取り戻す場所

縁あって介護の現場に入ってからは、世界が広がりました。
この仕事では、“正確さ”よりも“想像力”が求められます💬

表情動作本人の見ている世界観など、


視覚を通したあらゆる情報から
相手の内側を想像することが必要です。



そんな“非言語コミュニケーション”が、
私にとっての“聴くこと”そのものになりました❤️‍🩹

何度でも話してくれる

「わし、昔は運転手してたんだよ」
あるおじいさんは、そう話をしてくれました。

以前の私ならうまく聞き取れず
焦っていましたが、
その必要はありませんでした。

なぜなら、その方は認知症だからです。
毎日、1日の中で同じ話を繰り返してくれます。


だからこそ

「またしっかり聞ける」チャンス

が散りばめられているんです。


昨日は

「運転上手だったんですね」

今日は

「どんなお客さんを乗せたんですか?」

と返します。

そのたびに、おじいさんの目はキラキラするので
これほど喜ばしいことはありません⭐️

話は延々と続きますが。(笑)


他人だから、何度でも同じ話を聞くことに
喜んだり笑ったりできる
んですよね。


家族の役割を担っていない、介護士だからこそ
もっと言えば、難聴だからこそ🤝

「またこの話か🤷」とならず、
何度でも新鮮な気持ちで関われることが
嬉しい
です。

声が届かなくても、心は届く

そして耳が遠いおじさまのお話です。

私はトイレ介助の際に
筆談で「〇〇さんの耳、大きいですね」と
伝えました。

すると彼は文字をゆっくりと解読し、
「おう、そうか!」
顔をくしゃっとさせました。

あまり表情を変えない寡黙な方ですが、
その笑顔を見た瞬間「あ、伝わった」と
私の心はあったかくなったのです❤️‍🩹

音がないなら、目で伝える。
目が見えないなら、触れて伝える。
言葉が理解できないなら、表情や身振りで伝える。


コミュニケーションは
声だけではありません。

「この人はどう関われば安心してくれるんだろう?」



その答えを見つけるには、
相手の生きてきた物語を聞くことが
必要不可欠です🎞️


その物語を視覚から入るあらゆる情報で想像し、
時には先輩方から情報を集めます。


そして情報をもとに、
自分なりのコミュニケーションを模索しながら
利用者さんと信頼関係を構築
していきます🤝



それが難聴である私にとっての
“心で聴く”
ことでした👂

難聴をカバーするのは「安心感」

職員同士のやりとりでは、
声より“流れ”を見て動くことが多いです。

誰かが目線を送れば「そろそろ移動だな」と察して動くなど、
周囲の動きや空気の変化を敏感に読みます

そうすることで、聞こえづらさのハンデを
自然にカバー
しています。

先輩方もそのことを理解してくれているので、
とてもありがたい環境です。

  • 目を合わせて合図をくれる
  • 動きが間違っていたら、笑いに変えて教えてくれる
  • 遠い距離での会話ではジェスチャーや口パクで、
    私も理解できる工夫をしてくれる

職員同士のコミュニケーションに
安心感があります



それだけで、こんなにも
仕事が楽しくなるものなのだと
気づきました。

心のコミュニケーション

聞こえづらさと引き換えに得たもの、それは、

人や空気に宿る温度を感じ取る力


でした。

歯がなく、何を言っているかよくわからないけど
楽しそうなことが伝わってくる。

車に乗って、じっと静かに窓の外を見ているけど
その表情はとても柔らかい。


言葉が存在していない時こそ、
相手の感情を想像
したくなります。



その温度を感じ取れるよう、
誰よりも愛を込めて育ててくれた母に、
ありがとうを添えて
💌


明日もまた、心のコミュニケーションで
1日の幕開けです!

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