こんにちは!ピノです。
前回の続きに入る前に、少し、当時の出産状況にまつわる背景を説明しておきます。
手記①でも書きましたが、私が長男を出産した約20年前は、
「ナチュラルバース」「アクティブバース」
と呼ばれる「医療介入を極力抑えた自然な出産方法」が好まれ、流行っていました。
私がナチュラルバースを選択した理由として、
「会陰切開への恐怖」
「夫立会い出産希望」
「病院で仰向けになって出産することへの恐怖と強い疑問」
何より、
「陣痛促進剤などを使わずに身体の自然な力で赤ちゃんが生まれてくること」
を強く希望したためでした。
そうして、幸運なことに私が当時住んでいた家の近くに、ナチュラルバース界でとても有名で人気のあった助産師のK先生(50代半ば位の女性助産師さん)が、開院している助産院がありました。
そういう経緯で私はそこで第一子である長男を出産したのですが……
このK先生……実は……まぁ色々ありました(笑)。
”中途難聴”と”メニエール”に関する手記ではありますが、その一部をご紹介したいと思います。
前置きが大変長くなり失礼いたしました。
では、ご興味がございましたら前回の続きをお読みいただいてから本文へどうぞ!
私はK先生に、
左脚が突然不自由になったこと、救急外来に運ばれてレントゲン検査をしたが〈異常なし〉と診断されたこと、今はなんとか立てるようになり、ヨチヨチ歩けるようにはなったが痛みが恥骨にまで広がり、耐え難いこと……を切々と訴えました。
私の訴えを黙って聞いていたK先生は、低い声で簡潔に、
「下半身の下着を脱ぎ仰向けに、両膝を立てて寝て」
との指令を出されました。
言われた通りにしました。
するとK先生は無言で私のスカートを捲り、両手で私の股を開き、先生の左手は向かい合った格好になっている私の右膝をがっしりと(恐らく動かないようにするためでしょう)掴まれ、先生の利き手である右手は、いわゆる産道の中へ
グイグイグイーーーーーン!!!
と入ってきていることがわかります!!!
え?え??え???何が起こっている⁈
と思っているうちに先生の右手が私の、恐らく股関節や恥骨の辺りだと思うのですが、の辺りの骨⁈ を掴み、グイっ!!と動かされました!!!
感覚としては内部から骨の位置を正された…という感じ……。
とは言え、現実では落ち着いてそのような分析ができるわけもなく。
グイっ!! の後、K先生はシュルシュル~、と右手を私の中から引き抜きました。
訳が分からず目を白黒させている私にK先生は、
「骨の位置、治しといた」
とだけおっしゃって、診察は終了しました。
なんという原始的⁈な治療でしょう…。
呆然としている私をK先生のお弟子さんが優しく起こしてくれたように記憶していますが、その後のことは残念ながらあまり覚えておらず。
恐らく、長男をベビーカーに乗せて帰宅は出来たのでしょう。
ただ、不思議⁈なことにその後、段々と左脚付け根部及び恥骨の痛みは無くなり、普通に歩けて生活できるようになりました!
今思い返してもあの治療は本当に行われたことなのだろうか……と信じられないような気持ちになるのですが、
接骨院の治療(腰痛持ちと目眩治療のため2週間毎に通院中)のため仰向けに寝そべり、そのまま首を少し上げ、両足の爪先を見てみると明らかに左脚の爪先の方が身体の外側に大きく倒れているのです。
接骨院の先生曰く、「左脚の股関節が右に比べて開いている」そうで、あの治療のせいなのか、あの治療のお陰でこれくらいで済んでいるのか…。
こうやって思い返すと悶々としてしまったりします。
主人には「出産後、無理をして歩いて帰ったからだ」と後に言われ、私自身もそうかもしれない…と思います。
すっかり育児日記みたいになってしまいました…。
さて、中途難聴及びメニエールという病は、長年の疲労やストレスが蓄積されて酷くなっていくんだなと、今の私はしみじみ実感しています。
そういった意味合いを含み、今回の手記③からは副題として「+様々奮闘記」と付け加えました。お付き合いいただけると幸いです。
右耳の突発性難聴への治療法は、相変わらずアデホスコーワというビタミン剤のみを服薬していました。
先述したように体の不調によるストレスも重なり、一旦は穏やかになっていた耳鳴りはまた
ダンプカー走行音になり、日によってはガス湯沸かし器の着火音がすぐそばで絶えず起こっているような激しい耳鳴りがする時もありました。
そこで、耳鼻科を変えてみようと思い立ち、更に女医さんの方が色々分かってくれるかも…!!
と期待感を胸に、探して見つけたとある耳鼻科、
長男と一緒に診察室に入ったら開口一番、
「赤ちゃんを診察室に入れないで!!」
ときつく怒られ…
心底がっくりしたこと、今でも思い返すたびに泣きたくなるような気持ちと、「置いてこられないんだから無理です!」と言い返してやれば良かったとの悔しい気持ちが交互にやってきます。
しかしその後、私にとっては今でも忘れられない、恩人のような女医さんに出会うことになります。
続く……
次回掲載日は11/10(月)になります。


