デフフットサル男子準優勝!トルコデフリンピック備忘録

キコニワライターのFubukiです!

今回、自分は第20回冬季デフリンピックのフットサル男子競技の選手として、出場しました。

これまでにデフフットサルだけの世界大会(以下、W杯)は経験したことがありましたが、デフリンピックは初めての参加でした。

目次

フットサルはデフリンピック初参加だった

冬季デフリンピックは20回目の開催でしたが、デフフットサルは今回の冬季デフリンピックから初めて競技種目に加わりました。

夏期デフリンピックに比べて、冬季デフリンピックは競技種目も少なく、参加国や参加人数も少ないため、より大会を盛り上げられるよう、正式に競技に加わったと聞きました。

やはり、気候に左右されない夏のスポーツに比べて、雪が降らないと競技をすることが難しいウィンタースポーツは、競技を始めるきっかけがなかなか掴めないのは事実だと思います。

僕は北海道出身なので、小さい頃からウィンタースポーツに慣れ親しんできましたが、競技装具費、移動費、ウェア代など、とにかくお金がかかるので、なかなか発展が難しいのかもしれません。

開催地の雰囲気は?

今回大会が開催された場所は、トルコのイスタンブールから飛行機で2時間ぐらい離れた、エルズルムという街。

飛行機で降りた瞬間から、壮大な自然が溢れている場所でした。

気温的には寒いですが、風はあまりなく、街中はあまり雪も降っていませんでした。また、乾燥はひどいですが、日本の冬と似たような感じで、生活しやすい街でした。

日本選手団は、フットサル競技の会場が非常に近い場所にあるホテルに泊まっていたのですが、本当に何もないところにポツンと綺麗なホテルが立っていて、日本ではあまり考えられないシチュエーション…?笑(建設途中の土地がいくつもあったので、これから発展するのかも…?)

開会式の様子

入場や挨拶、照明、ダンスなどの興行も含めて、デフリンピックになるとかなり大規模で、W杯よりもかなり手厚く歓迎されている印象を受けました。

他競技との交流は?

フットサル競技は一番早く大会が始まり、一番遅くに大会が終わったので大会期間中はずっとエルズルムにいました。

他の競技は遅く到着したり、早めに帰国したりとそこまで交流はできなかったのですが、大会の合間を縫って試合に他競技の選手が応援に来てくれた時は、日本を代表して戦っているという気持ちがより強く感じられました!

結果は?

各試合の動画がYouTubeに公開されているので、お時間がある時に見てくれたら嬉しいです!

グループリーグ1戦目
vsチェコ(8-2 勝利)

チェコは早めに先制点を決める事ができて、難なく勝利!

グループリーグ2戦目
vsケニア(5-0 勝利)

ケニアが来なかったので不戦勝になりました。アフリカはまだ進んでないのかも?ルーズだったり、変更が多いのもデフあるあるです。

グループリーグ3戦目
vsブラジル(1-1 引き分け)

グループリーグを首位で突破!得失点差の関係で引き分けでも首位で突破できることがわかっていたので、粘り強く守備から試合に入りました。先制点を取ったものの、相手にPKを与えてしまい、同点に。それでも猛攻を凌ぎ切って引き分け!
ブラジルは2019年のスイスW杯でも対戦して勝利したのですが、当時のメンバーは全くおらず、非常に強くなっていました。U-21の大会などにも参加していて、競技人口も多く、さらに強くなりそうな予感がしました。

決勝トーナメント1回戦
vsトルコ(3-1 勝利)

トルコは開催国ということもあり、かなりの観客が来ました。
特に、太鼓の音が大きく、障害が軽い自分は補聴器を外した状態でもかなり音が聞こえる状態でしたが、普段から応援があるような舞台でプレーしていたおかげで、特に気になることもなく、平然とプレーができました。
先制点を取るも、同点に追いつかれ…
相手にPKを与えてしまい、逆転されるかもしれないピンチ!
しかし、GKがPKの駆け引きで相手のミスを誘ってピンチを防ぎ、試合は延長戦に…!
この試合で自分もようやく待望のゴール!
延長戦までもつれ込んだ試合でしたが、タフに戦って勝利!

準決勝
vsスペイン(2-0 勝利)

2019年スイスW杯王者のスペインと対決!
相手の速いパス回しに苦戦するも、回させてもいいぐらいの気持ちで辛抱強く守備を続けて…
待望の日本の先制点!
攻めては守って、一進一退の攻防が続くも、なかなかスコアは動かず…。
そんな時、相手が日本の攻撃のチャンスを悪質なタックルで防いだとして、1発退場!
とても有利な状況になって、慌てず追加点!
そのまま防ぎ切り、勝利!

決勝
vsイラン(1-3 敗戦)

決勝の相手は日本の宿敵イラン!
これまでの大会で7戦して7敗と、今まで一回も一回も勝ったことの無い相手です。
僕が日本代表として戦ってからは、0-4,0-4,0-3と1点すら取れずに負けていました。
今回こそは絶対勝つと臨んだ1戦。
試合開始1分で日本が待望の先制!
しかし、イランは全く慌てていない印象でした。
PKを与えて同点に追いつかれると、自分たちのミスから相手に追加点を決められてしまい、その後スコアを動かすことはできず、敗れてしまいました。

イランにはまたしても勝つことはできませんでしたが、史上初の準優勝!


今までやってきたことが、結果として表れて、本当に競技を続けてきて良かったなと思います。
また、完敗していた今までの試合と違って、自分たちのやりたい事ができる、そんな好感触のあった試合でした。

2023年のW杯と今回のデフリンピックが短期間で開催されたため、どちらとも参加した国もあれば、片方のみの参加の国もありました。基本的には、デフリンピックを優先している国が多く(ヨーロッパ予選1位のスペインと2位のイタリアはデフリンピックのみ出場)、各国のデフリンピックに対する優先度が高かったです。

サッカーでいうとオリンピックよりもW杯の方が圧倒的に価値が高いと考えられていますが、デフの世界ではデフリンピックの方が価値が高いと考えられていて、デフリンピックの歴史に対する誇りのようなものを感じ取れました。

閉会式の様子

途中で帰ってしまった選手もいたため、開会式よりも人数が少なかったですが、面白かったのは、式が終わった後に開催されたダンスパーティー!

みんな音が聞こえないはずなのに、ガンガン音楽をかけて、ノリノリで踊っている光景があって、海外ならではのノリと雰囲気を感じ取れました!

終わりに

これまで参加してきたデフフットサルの世界大会と比べて、他の競技や多くの国が参加していることもあり、他国のみならず自国内でも競技間での交流があり、さまざまなスポーツの状況などを知ることができました。来年開催される東京デフリンピックでは、どのような交流が生まれるのか、非常に楽しみです!

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この記事を書いた人

仙台在住。
デフフットサル日本代表として、デフリンピックで準優勝を獲得するアスリートでもある。
趣味はサウナとジムとコーヒー。アウトドアに見えて超絶インドアで、休みの日はほとんど外に出ない。

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