「ダイアログ・イン・サイレンス」体験してみた!〜自然に体験できるろう文化・手話文化って?〜

はじめまして!新しくキコニワライターになりました、ゆいです!

愛知県在住の聴者で、オンラインの教室や対面の手話イベントなどで日本手話の学習をしています。よく手話イベント・手話関連の展示・ろう者が働くお店・手話カフェなどに訪れて、さまざまな出会いと交流を楽しんでいます。これから参加したイベントの体験談や、手話の勉強を始めたきっかけ、どんなことに興味があるかなどを少しずつキコニワでご紹介していこうと考えています。

よろしくお願いします!

目次

「ダイアログ・イン・サイレンス」って?

2月の終わりに、東京のアトレ竹芝シアターで開催されていた「ダイアログ・イン・サイレンス」に参加してきました!

「ダイアログ・イン・サイレンス」とは聴覚障害者のアテンドが音のない世界に参加者を案内し、無音のコミュニケーションを楽しむイベントです。

わたしは参加した方の体験談を事前に少しネット上で見てはいたのですが、一緒に参加した友達は全く事前情報なしで参加しました。事前情報があってもなくても存分に楽しめる内容です。

時間は90分となっており、一見、長いプログラムなのかな?と思う方もいると思います。しかし、体験は一つ一つの活動ごとに部屋を移動していく形で、その部屋の活動のテーマについて確認してから始まるので、あっという間に90分が過ぎていきます。

上の写真は、イベントを進めるアテンド(聴覚障害者)とサイレンスインタープリター(手話通訳)の方々です。

事前情報では、アテンドとサイレンスインタープリターがいると書いてあったので、ペアでイベントが進められるのかなと思い込んでいました。しかし実際は、サイレンスインタープリターが登場するのは最後の対話の部屋だけで、体験中は基本的にアテンドと参加者だけのずっと無音の空間ですが、無音でもコミュニケーションがしっかり取れて、楽しむことができます。

ダイアログ・イン・サイレンスは、手話文化やろう文化が自然に体感できる90分だと感じました。手話文化・ろう文化は、手話での会話やろう・難聴の人との交流において、手話の読み取りや表現ができること以外に覚えておかなければならない大切なものだと思います。

今回の体験の中で手話文化・ろう文化が反映されているなと思った部分を3つ紹介します。

1. 目を合わせること・目を合わせてから対話を始めること

今回の体験では、参加者同士の対話で「相手と目を合わせてからジェスチャーや表情で伝える」ということが自然にできるのが印象的でした。

音声会話だと相手と目を合わせずに話し始めることが失礼ではなく、相手が聞いているかどうかを確認せずに話を進めることも多いです。

しかし、手話での会話やろう・難聴者とのコミュニケーションでは話しかけたい相手と目を合わせてから話し始めますよね?それを知らない聴者やなかなか慣れない手話学習者も多いのではないでしょうか。

体験の中では全員が無音の空間で、目を合わせてからでないと相手に伝わらない、相手に伝えたいことがあるなら目を合わせるということが参加者みんな自然にできていました。教わらなくてもその場の状況で自ら学べるということが素晴らしい体験でした。

2. 注目を集める・目的のものに注意を向ける

体験の中で、参加者同士で何かを伝え合う際に、話す人に全員が注目したり、話の対象のものに指を差して何について話しているかを示すことがありました。

音声会話では視線を対象物に合わせずに会話が進むことも多いですが、手話での会話だと話の対象物に指を差して、目的のものに注意を向けることが必要です。

今回の体験では、手話を常に使うわけではないので、何を話しているかを表す際に指差しがとても重要な役割を果たしていました。部屋の中や手に届く場所にあるものですら、はっきり指を差さないと、そもそも何について話そうとしているのかわからず、もどかしい思いをすることもありました。視覚でのコミュニケーションでの対象物の注意の向け方は、練習して慣れていくものだと感じたので、ろう者や難聴者の指差しを見て勉強していきたいなと思います。

3. 立つ・座る位置はみんなの顔が見える場所で

今回、ほとんどの部屋で円形や半円形の立ち位置や座席でした。

「参加者と案内人」だけではなく、「参加者同士・参加者と案内人」の全員の顔を見てコミュニケーションをとれるようになってるのも工夫されているポイントだと感じます。

視覚コミュニケーションにおいて、全員の顔や動きがしっかり見えることはとても重要です。ろう学校や手話サークルでも円形や半円形の位置に座ることが多いと思いますが、自分も含め聴者や手話学習者はその点を忘れがちです。座った位置で「手話が見えない」と困ることもしばしばあります。

ろう・難聴者とのコミュニケーションの際は全員の顔が見える位置で話すことを私自身、これからも気をつけていきたいなと思います。

今回気づいた3つの点は、ろう・難聴者と交流のない人が学べるだけでなく、普段から手話を使う人も交流する機会にまた意識したいなと思えるものでした。

わたしと同じ回の参加者は、手話を知らない人の方が多く、それでも「こんなに伝わるんだ!」と感動するくらいコミュニケーションがとれて面白かったです。(伝わらないこともありましたが、それもそれで楽しかったです)

参加した友達と2人で「本当に楽しかったね!」と話しながら大満足で帰りました。アテンドや他の参加者の方々と終わった後にも交流することができて楽しかったです。

無音の中でのコミュニケーションを楽しむことを可能にする、とても魅力的なアテンドの方々と共に体験が構成されています。多くの方にぜひ体験して欲しいなと思います。

次は2025年12月に開催予定となっております。興味のある方、未体験の方はぜひ参加してみてください!

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この記事を書いた人

愛知県在住の聴者。
日本語・英語のバイリンガルで、日本手話を学習中。
オンラインで手話の勉強を始め、
2024年頃からは手話イベント・手話関連の展示・ろう者が働くお店・手話カフェなどに訪れて、さまざまな出会いと交流を楽しんでます。

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