皆さん、こんにちは!
街中には、小さな子どもから年配の方、海外からの旅行客や日本語が分からない在留者など、さまざまな人が分かるように作られた標識やマークがたくさんあります。
では、障害者のマークを見たことありますか?
よく目にするのは、車いすのマークではないでしょうか。例えば、電車や駐車場、エレベーターなどで見かけることが多いと思います。
実は、障害者のマークには”聴覚障害に関わる“ものもあります。皆さんはご存じでしょうか?
この記事では、聴覚障害に関わるマークやユニバーサルデザインについて紹介します。ぜひ最後まで読んでみてください!
聴覚障害に関わるマークとは?
街中では、車いすやマタニティのマーク、優先席のマークなどを見かけることが多いですね。
しかし、聴覚障害に関わるマークは、街中で頻繁に見かけるものではないため、どのようなマークなのか、どこにあるのかを知らない方も多いかもしれません。
聴覚障害に関わるマークには、どのようなマークがあるのか見ていきましょう。
耳マーク
所管先:一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会

このマークは、聞こえない人・聞こえにくい人が筆談や読話(マスクを外す)、手話、指さしなどの方法でコミュニケーションをとることを示しています。
掲示するだけでなく、当事者が持ち歩くこともでき、役所などの窓口で配慮をお願いする際にも活用できます。
ちょうちょマーク
所管先:警察庁交通局交通企画課

自動車に付けるマークで、初心者マークと同じように、聴覚障害者が運転していることを示します。
このマークがあることで、後続車の運転手が「クラクションではなく、ハイビームなどの光で合図を送る」といった配慮をしやすくなります。
大都会ではあまり見かけないかもしれません。
補聴器を使用していない聴覚障害者が運転する場合、車にちょうちょマークを付けることが義務付けられています(ワイドミラーの装着も義務)。
また、このマークを付けた車への幅寄せや無理な割り込みは、道路交通法違反となります。
手話マーク・筆談マーク
所管先:一般財団全日本ろうあ連盟

手話マークは、「手話ができる人がいる」と手話での対応が可能であることを示します。

筆談マークは、手話ができない場合でも筆談で対応できることを示します。
これらのマークは、地方公共団体や企業、お店、駅などの交通機関の窓口に掲示したり、ネームカードやビブスに付けたりすることができます。
ほじょ犬マーク
このマークを見ると、盲導犬や介助犬を思い浮かべるのではないでしょうか。

盲導犬や介助犬の他に「聴導犬」もいます。
このマークは、盲導犬・介助犬・聴導犬の同伴受け入れを示すとともに、”ほじょ犬”を知っているという啓発も込められています。
身体障害者補助犬法により、役所や公共施設だけでなく、レストランや民間施設などでも補助犬の受け入れが義務付けられています。
受け入れを拒否することは、障害者差別に当たります。
うさぎマーク

おもちゃに付けられるマークで、聴覚障害のある子どもも楽しめるように作られています。
例えば、音だけでなく光や振動で知らせる機能や、一定時間触らなかったら自動でオフになる「オートオフ機能」などが挙げられます。
これは聞こえない子どもだけではなく、コーダの子どもを持つ聞こえない親も一緒に楽しめますね!
いかがでしたか?
聴覚障害に関わるマークについて紹介しましたが、まだまだ知られていないというのが現状です。
しかし、これらのマークがあることで、聞こえない・聞こえにくい人が安心して過ごせる環境づくりにつながります。
「知ること」が第一歩ですので、身の回りで見かけたときには、どんな意味を持つのか意識してみてくださいね!
もっと知ろう!ユニバーサルデザイン
ユニバーサルデザインとは、「ユニバーサル」は「普遍的」という意味で、広く行き渡るさま、すべてのものに当てはまることを指しており、年齢、性別、国籍、身体能力の違いに関わらず、すべての人が利用しやすいように設計されたデザインです。
バリアフリーは、自分自身に障害があり、社会で作られたシステムによってアクセスできない障壁を取り除くことです。
例えば、車いすの場合、上階に行きたいが、階段しかない、段差があって行けないという障壁を取り除いてエレベーターを設置するというバリアフリーの目的ですが、ユニバーサルデザインは、最初から誰でも使いやすいように設計する点が異なります。
ユニバーサルデザインの7原則
ユニバーサルデザインには基本的な考え方・7原則というのがあります。
- 公平性:誰でも公平に利用できる。
(例:自動ドア、段差のない階段など) - 自由度:好みに合わせて利用できる。
(例:左利き・右利き両用のハサミなど) - 簡単さ:使い方がすぐに分かる。
(例:視覚障害者向けの凸凹付きシャンプーボトルなど) - 明確さ:情報が分かりやすく表示されている。
(例:電車内の多言語対応の案内板、ピクトグラムなど) - 安全性:ミスや危険を防ぐ。
(例:駅のホームドア、車の出庫を知らせるランプなど) - 負担軽減:少ない力で利用できる。
(例:番号を押すだけで購入できる自販機など) - 空間性:誰でも利用しやすいスペース。
(例:多目的トイレなど)
このように誰でも利用しやすいデザインを設計し、以上の7原則を生み出したロン・メイス氏はアメリカ人で建築家・デザイナー・教育者でもあり、車いすユーザーでもありました。
彼は誰でも利用できるやさしいデザインの設計をする傍ら、障害者差別の禁止、障害者のアクセスしやすい建築やデザインを考慮した建築法などの成立の活動もしてきました。
その考え方は世界中でも広まり、今では街中で、ピクトグラム、電光掲示板、文字起こしアプリなど、誰でも見て分かる、利用できるデザインが私たちの生活にも豊かになりつつあります。
まとめ
聴覚障害者マークやユニバーサルデザインについて紹介しました。
ユニバーサルデザインは障害者だけではなく、子どもから高齢者まで誰でも利用できる環境を考えることです。
体に負担をかけることなく、動作もひとつだけで済む楽で簡単な動作、例えば、調味料や歯磨き粉の蓋で回して開けるのではなく、パカッと開けられるタイプなどもありますよね。
当たり前に使っている身近なものでも、使いやすいようにデザインされているのだと新しい発見でした。
私は、「ユニバーサル」や「バリアフリー」といった言葉がなくても、誰もが自然に受け入れられ、お互いが安心できる社会になることを願っています。