世界のデフニュースNo.9『デフリンピックの歴史』

明けましておめでとうございます。いつも読んでいただきありがとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

恒例の『世界のデフニュース』シリーズです!

2025年といえば・・・デフリンピックイヤーですね!デフリンピック開幕まで残り304日です!🎉
2025年11月15日(土)〜11月26日(水)の11日間、日本の東京で開催されます。
なんと、、、日本では初めての開催であり、また1924年にパリで第1回デフリンピックが開催されてから、100周年の記念となる大会になります。楽しみですね!

今回のテーマは案外知られていない『デフリンピックの歴史』です!
実は、私自身も、 デフリンピックの歴史についてはあまり知りませんでした。
この記事を書こうと思ったきっかけは、昨年、とあるイベントでデフリンピックの歴史についての講演があり、 そこで具体的な歴史を知り、衝撃を受けたことです。

目次

デフリンピックは実はパラリンピックより歴史が古い

デフリンピックは、1924年にパリで第1回大会が開催され、 当時は「国際サイレント大会(International Silent Games)」と呼ばれていました。 当大会に9カ国から約150人の選手が参加しました。 一方、パラリンピックの起源は1948年であり、 デフリンピックは約24年早く始まったため、障害者スポーツの国際大会として最も長い歴史を誇ります。

大会名称の変化

・1924年〜1967年:国際サイレント大会(International Silent Games)
・1967年〜2001年:世界ろう者競技大会(World Games of the Deaf)
・2001年〜現在:デフリンピック(Deaflympics)
 ※2001年5月16日に国際オリンピック委員会(IOC)の承認を得て、現在の名称に変更されました。

”ろう者のクーベルタン”と呼ばれたデフリンピンクの創始者

デフリンピックの創始者は、フランス人のユジェーヌ・リュバン=アルケ(Eugène Rubens-Alcais)です。
彼は1884年生まれで、幼児期に熱病により聴覚障害者になりました。本業は自動車修理工。
20歳の時に『Le Sportsman Silencieux(無声スポーツマン)』という雑誌を創刊し、
1918年にla Fédération Sportive des Sourds de France(FSSF、フランスろう者スポーツ連合)を創設しました。
「ろうのクーベルタン※」と呼ばれるほど、ろう者のスポーツ大会設立に貢献しました。
(※クーベルタン:フランスの教育者であり、古代オリンピックを復興させ、近代オリンピックの基礎を築いた創立者)

▼ユジェーヌ・リュバン=アルケ(Eugène Rubens-Alcais)の写真(Wikipediaより引用)

デフリンピックの創始者・フランス人のユジェーヌ・リュバン=アルケの顔写真

デフリンピックとパラリンピックの関係

デフリンピックとパラリンピックの関係において、重要な転換点となったのは1995年の委員会からの離脱です。
1989年に国際パラリンピック委員会(IPC)が発足した当初、当時の国際ろう者スポーツ委員会(CISS)も加盟していました。 しかし、1995年に下記理由によりCISSはIPCから離脱しました。

コミュニケーションは全て国際手話で行われ、競技はスタートの音や審判の声による合図を視覚的に工夫する以外、 オリンピックと同じルールで運営されます。 また、パラリンピックはリハビリテーション重視で始まりましたが、デフリンピックはろう者仲間での記録重視で始まりました。 しかし、現在では両大会とも障害の存在を認めた上で競技における「卓越性」を追求する考えに転換しています。この決定により、デフリンピックとパラリンピックは別々の道を歩むこととなり、それぞれの大会の特徴や価値を追求しています。
以上の内容から、昔の関係者が相当な苦労をされてきたことが容易に想像できます。

日本の取り組み

デフリンピックに向けて「TOKYO FORWARD 2025」が
デフリンピックと世界陸上に向けて様々な取り組みを行っており、日本を盛り上げています。
東京2025デフリンピック大会ポータルサイトの、「デフリンピックとは」のページがイラスト付きでとてもわかりやすいです!

ぜひ読んでみてください!そして、特に見てほしいページがこちらです!
オリンピックやパラリンピックにはないデフリンピックのルールやスタート合図の仕方などを
具体的に知ることができます!

一生に一度の体験!デフリンピックを現地で応援しよう

国内初の開催ということで、私はとても楽しみにしています。
世界各国のろう者が一堂に会する機会はなかなかないので、貴重なチャンスです!
この素晴らしい機会を通じて、ろう者のスポーツとその文化に触れ、互いに理解を深めることができると思います。
家族や友人と一緒に、ぜひ会場でその熱い瞬間を共有してください。
2025年のデフリンピック、ぜひお見逃しなく!

参考文献
https://en.wikipedia.org/wiki/Eugène_Rubens-Alcais
http://para.tokyo/8-KazuoOGOURA.pdf
https://www.deafstudies.jp/info/files/deaflympics_history.pdf
https://www.jfd.or.jp/sc/files/deaflympics/resources/presrep-j.pdf
https://ja.wikipedia.org/wiki/デフリンピック
https://www.jfd.or.jp/sports/19sd/19dfg_top.html

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ここでも世界の聞こえない人に関する情報が充実しています。ぜひ参考にしてみてください✨

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