ろう・難聴版 職業ガイドブック_011 アパレルショップ店員

もともとは、現在勤めている会社の経理事務として働き始めました。
短期大学を卒業後、1ヶ月ほど就職活動を行い、複数の会社を受けましたが、なかなか採用にはつながりませんでした。
そんな中でご縁があったのが、現在の会社です。
そこから20年間、働き続けてきました。

そうなんです。
20代の頃は、ただ純粋にファッションを楽しむことが好きで、当時は販売員になりたいという気持ちは特にありませんでした。ですが、現在の会社で長く働く中で、少しずつ「販売の仕事にも挑戦してみたい」という思いが芽生えてきたんです。
そうした流れの中で、アパレルショップ店員としてお店に立って働かせていただいています。

やはり、お客さまに「ありがとう」と言っていただけた時です。
また、自分がろう者であることを理解し、コミュニケーションの取り方を柔軟に工夫してくださるお客さまがいらっしゃると、本当に心が救われる思いがします。

やはり、マスクを着用しているスタッフやお客さまとのコミュニケーションは難しいですね。
そのため、コミュニケーションボードを活用したり、⾳声認識アプリケーションシリーズ「YYSystem」を使うことで、コミュニケーションを取れるようにしています。

定期的に来るジョブコーチの方がいて、その方と相談し、導入をしていただける運びになりました。

基本は口話中心になります。スタッフにマスクを外していただくようにお願いをしております。

店長は時々手話を使ってくれていることもあり、コミュニケーションがとりやすいです。
大事なミーティングでは、文字起しツール(主にYYSystem)を活用するなど、場面に応じて工夫をしています。

自覚はないのですが、周囲からは雲のようにフワフワで、ぼんやりしていた性格といわれることがありましたね（笑）

あまり覚えていませんが…

中学か高校のどちらかは忘れたのですが、修学旅行でディズニーランドに行きました。そこで迷子になったことを覚えています（笑）
先生から怒られましたが、内心では安心していた記憶があり、それぐらい呑気な性格でしたね。

教養を身につけること

協調性や相手への思いやり、感謝の気持ちを大切にしてほしいと思います。 そうした心を育むためには、まず自分自身の心を大切にすることが重要です。
母語が日本手話であっても、日本語ならではの言葉に触れることで、ことわざや伝統的な礼儀作法を学ぶきっかけにもなります。


会計の知識を深めること

スキルや資格の取得は社会人になってからでも大丈夫ですが、できれば学生のうちに簿記3級程度の会計知識を身につけておくと さまざまな分野で役に立ちます。

「日日是好日」です。

コロナ禍で、毎日が同じことの繰り返しのように感じ、目的のない日々を過ごしていたときに、この言葉に出会いました。
「今日の一日は二度と来ないかけがえのない一日であり、一瞬一瞬を大切にしなさい」という意味で、とても心に響きました。
今では、この言葉がとても気に入っています。