前回は「盲ろう教育」について紹介しました。あわせてご覧ください。

今回は、ノルウェーでの体験記をお話したいと思います!最後まで読んでいただけますと幸いです。

【渡航の目的】
私は2025年8月22日から31日まで仲間と一緒にノルウェーを訪れました。オスロのムンク美術館で盲ろうの子どもたちとワークショップを行うことが目的でした。
【ワークショップ】
2日間、オスロ市内にあるムンク美術館で盲ろうの子ども達と一緒にワークショップを行いました。手話や音声言語でコミュニケーションが難しい子どもがたくさんいました。その代わりに、子どもたちはサインや身振りなどで気持ちを表現します。日本とノルウェーの先天性盲ろうの子ども達は似ていると思いました。笑顔で楽しいときには動き回る、足で床を弾ませるように上下に動かすなど、身体全体で喜びを表現します。静かに動き、床で横にごろごろしている子どももいます。それぞれに豊かな表現がありました。
ワークショップでは、盲ろうの子どもの希望に合わせて、一緒に楽しく過ごせるように準備をしました。具体的には、花、野菜、動物、粘土などを使いました。盲ろうの子どもが横になってごろごろしているところに私が花を待っていき、子どもの顔にそっと花で触れました。花の感触が分かるのか、盲ろうの子ども達に喜ばれました。
【観光 リサーチ】
オスロに着いた翌日、友人と一緒にヴィーゲラン彫刻公園を訪れました。数百体に及ぶ人体彫刻は力強くも繊細で、触覚を通じてその表現の豊かさを味わいました。とりわけ、なめらかな石肌や星座をモチーフにした彫像に触れたとき、芸術が視覚に限定されないことを改めて実感しました。この公園はとても広く、マラソンをしている人がたくさんいます。気持ちが良いところでした。



【サウナと海の体験】
フィンランドでは、サウナが有名です。ノルウェー・オスロでもサウナは人気があります。たくさんの人々がサウナに入ります。私もサウナと海水浴の組み合わせを体験しました。初めての体験だったので、強く印象に残っています。熱と冷たさを繰り返し味わうこの文化は、身体感覚を通じて自己と自然の境界を感じさせてくれました。
【まとめ】
今回の渡航を通じて、福祉や教育がどのように社会の中に位置づけられるべきかを深く考えるようになりました。ノルウェーでは、盲ろうの子どもたちが安心して学び、表現し、遊べる環境が制度的に整っています。日本においても、制度や環境の支えがあることで、盲ろうの人々が自分らしく生きられる社会が実現できるはずです。私にとって最も大きな学びは、教育や福祉は単なる支援ではなく、人と人とが出会い、共に生きるための文化そのものであるという気づきでした。ノルウェーでの経験は、今後の研究や活動を続ける上での大きな原動力となるでしょう。

