週間デフニュース2024/05/17号

5月の3週目の週間デフニュース

新年度での生活も慣れてきて、そろそろ疲れも溜まってきている方もいらっしゃると思います。実は先日、私の娘が中学校に入学して初めてのお休みをしました。朝起こすとき、普段は寝起きが良い娘なのですが、この時の朝は珍しくなかなか起きてこないので、どうしたのかと聞くと、熱はないが悪寒で体調不良、ゆっくり休みました。思い起こせば、4つの小学校から集まる中学校で新しい出会い、さらに部活も入って帰りが遅い日々、そして難しくなってくる勉強(宿題)などから疲れが相当溜まってきたのだろうなと思いました。それと同時に子どもにも息抜きが必要なのかなと思い始めました。子どもがいる皆さんはどうしていますか?

さて、今回は6つの記事をピックアップしました。

目次

東京都、手話で学ぶスポーツを楽しむ『親子手話タグラグビー教室』開講!

5月25日(土)18時からスポーツをしながら手話を学び、誰もが気軽に交流できる場所をつくる『親子手話タグラグビー教室』が開講されます。2025年開催される「東京2025デフリンピック」の理解促進、手話を学びながら楽しく体を動かすを目的として、タグラグビーを行います。参加対象者は小学生と中学生、手話講師はろう者である袖山由美さんを始めとし、新しい単語やフレーズを学ぶことができます。以下のサイトから詳細について記載されていますので、ご確認くださいね!

楽しく体を動かしながら、手話も学べるとは一石二鳥ですね!体を動かすのが好き、手話も興味がある小学生や中学生にはぴったりです!来年行われるデフリンピックで来日する選手たちに迎え入れ、交流するときに覚えた手話でやり取りし、通じると選手もみんなも喜びが倍になると思います。ご興味のある方、ぜひ申し込んでくださいね。

ウクライナ、デフバレーボール世界選手権に出場する選手らが日本大使館で壮行会を行う

6月21日から31日まで沖縄で開催されるデフバレーボール世界選手権に出場するウクライナの選手団が日本大使館で壮行会を行いました。場所はウクライナの首都キーウにある日本大使館です。松田邦紀駐ウクライナ大使はバレーボールの経験もあり、学生時代の話も併せながら、選手権でそれぞれ自分の力が発揮できると力強い激励をかけました。ウクライナ選手団のコーチからの感謝の意を述べ、ウクライナの人形などを贈呈しました。

ウクライナは、現在ロシアによる侵攻で現在も深刻な状況です。外務省海外安全ホームページでは、危険レベルはレベル4で、「退避勧告、渡航を止めてください」と記載されています。この本記事のウクライナ選手団はどのように練習しているのか分かりませんが、その他のウクライナ代表の選手の練習はどうしているのか調べてみると、ほとんど避難先で練習しているようです。また、家族と離れ離れなど様々な事情があり、精神面でも不十分でないこともあります。6月に開催されるデフバレーボール世界選手権で安心して練習や試合を頑張ってほしいと心から願っています。

イギリス、自分が聴覚障害であることを公表し、今後の生き方を語る

イギリスでモデル、俳優活動をしているジョージア・ミーチャムさんは、聴覚障害であることを12年間隠し続け、コミュニケーション方法は読唇でやってきましたが、「隠し続けることが最も疲れる、自分を土の中で閉じ込めておくような気分」とありのままの自分を公表したと話しました。補聴器は幼少の時から両耳装用していて、キラキラしたオシャレな補聴器をつけて毎日学校に通い、イジメもなく自信あふれていましたが、大学に入り、モデルの仕事も始め、「補聴器を隠すことでもっと成功できる」と補聴器を外してきましたが、公表を機に自分の新しい章の始まりだとポジティブに語っている記事です。

モデルや俳優のジョージア・ミーチャムさんは、補聴器を装用せずに口の形で読み取りながら仕事をしてきたそうですが、口の形を読み取ることは相当の集中力が必要です。それを12年間続けてきたことは計り知れない苦労があったのだろうと思います。そんな彼女の「自分が属している業界の聴覚障害者として声をあげることを決めた」という心強さが、子どもたちにも夢を与えてくれると共に社会(世界)も聴覚障害に対する理解と手話に対する肯定的な見方になるだろうと思いました。

聴覚障害者が被災したら…兵庫県内での防災の取り組みについて

防災訓練で聴覚障害者もどのように対応していくか、兵庫県内の各地域で様々な取り組みを行っています。地域の防災訓練に手話通訳者や要約筆記者を派遣、地域の住民と共に避難所での生活の体験、聴覚障害者も防災関連者と一緒に豪雨や津波発生ときの対応の確認、コミュニケーションボードの配布などなどのそれぞれ地域で聴覚障害者と共にどう対応していくか、情報保障はどうするのか、様々な対策を講じています。

それぞれの地域で独自のやり方で対策を考えたり、より良い方法はないか考えたりと、今後起きうる災害をお互いに身を守るため、そして被災後の生活での精神面などのサポート、聴覚障害者であることを一目で分かるバンダナなど具体的に記載されていて、大変参考になる記事だと思いました。この記事を基に、それぞれ自分が住む地域では災害についてどのような対策をしているのか、サポートはどうしているのか、自治体や防災士と一緒に確認することも一つの方法だと改めて思いました。

救命措置の方法を動画に、それぞれの当事者を起用してより分かりやすく

障害がある方も救命措置に携われるよう、それぞれの当事者を起用して、呼びかけや確認方法、蘇生措置、AEDの使い方を分かりやすく動画を作成し、公表しました。携わったのはNPO法人ちば救命・AED普及研究会(千葉PUSH)です。第54回三菱財団社会福祉事業・研究による助成を得て、障害者への一次救命処置教育支援プロジェクトの一環として制作し、手話通訳付きで三段階分けて誰でも救命措置の時の知識や対応ができるように発信しています。

「もし道に倒れている人を発見したら、あなたはどう対応しますか?」と言われたら、私は対応できませんと答えてしまいます。救命措置といえば、医療ドラマや特集などのテレビで見たことはありますが、漠然としています。また、前の職場で安全ミニ講習で情報保障がないまま受けたのですが、見よう見まねでやっただけで知識もありません。もしもこのようなことが遭遇したら…と思うとゾッと怖いです。しかし、今回の動画から学ぶことが多く、聞こえない当事者も実演しており、大変分かりやすくて同じ聴覚障害者として活用できると自信がつきました。

大分県、日本の美しい詩を手話で楽しむ『詩を愉しむ日本の歌コンサート』

大分県大分市にあるiichiko音の泉ホールという会場で『詩を愉しむ日本の歌コンサート』が7月30日(火)に開催されます。鑑賞支援があるので、どなたでも楽しめます。聴覚障害がある方は手話通訳、舞台手話通訳、要約筆記、字幕があり、自分に合った情報保障で鑑賞できます。詩を楽しむ日本の歌とは、本記事の説明文の通り、国語の教科書にも載っているあの有名な「わたしとことりとすずと(金子みすゞ)」の詩にメロディーをのせて歌うコンサートです。情報保障の予約は不要ですが、鑑賞するための申し込みは必要です。申込日は現時点ではまだなので、鑑賞料金と申込日、申込方法を以下のサイトからご確認くださいね。

公式ホームページの最後のほうに舞台手話通訳について分かりやすく記載されています。例えば、「手話通訳と舞台手話通訳の違いは?」などです。その場に適した音や意味を手話で通訳をすることは私たち聞こえない人にとって、分かりやすく、見たことのない新しい音の発見が見つけられ、楽しく鑑賞できますね!

編集後記

劇場やコンサートは情報保障がないイメージもあって、観たいけど観る機会があまりない、あったとしても情報保障の予約、または確認が必要という私の中でそう感じていることなのですが、以上の記事の『詩を愉しむ日本の歌コンサート』のように、情報保障の予約が不要であることに大変驚きました。つまり、聴者と同じように申し込みをして、あとは鑑賞するのを楽しみに待つだけということですよね。さらに、情報保障の記載について、自然と目に入りやすくて、探す手間を省いています。見やすい工夫をしたのか分かりませんが、情報保障を常に必要とする私は見やすくて、そのやり方はすごく良いと思いました。

来年建て替えすることになっている100年以上の歴史を持つ帝国劇場を運営する東宝に、建て替えの際に障害への理解、建物構造上のバリアフリー、情報保障の充実をの要望、2万1000人超えの署名を集めて提出したという記事も見つけましたので、併せて読んでくださると嬉しいです。

その歴史のある帝国劇場が誰でも楽しめる劇場に生まれ変わっていることを期待しています。そして誰にとっても世界一の帝国劇場へ観に行き、観劇も趣味の一つとして楽しみたいと思っています。

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Akkoのアバター Akko 編集長

こんにちは!Webメディア「キコニワ」の編集長・Akkoです。
ろう者、2児のきこえる子どものママをしています。
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