聴覚障害のある人は留学や大学にどうアクセスしている?|週間デフニュース2025/12/12号

12月2週目の聴覚障害にまつわる週間デフニュース

こんにちは!

8日の夜、青森県で震度6強の地震が発生しました。ニュースで状況を見て、今も不安な時間を過ごされている方もいらっしゃると思います。余震も続いているとのこと、どうかお気をつけて、暖かくしてお過ごしください。

さて、今週のデフニュースは4つの記事をご紹介します。

注目記事は、大学受験や留学に関わる聴覚障害者の教育環境についてです。令和の今、共生社会へと進む一方で、教育環境では依然として十分に整備されていない部分があり、現状や課題が語られています。

目次

聴覚障害者は、受験の段階から情報保障の不足により進学・留学の機会が限られています。NPO法人日本ASL協会は、奨学金事業を通じて海外留学を後押しし、学んだ知識や経験が日本の社会に還元する取り組みを進めています。

2024年の調査では、大学側が受験を「可能」と明示している割合は45%にとどまるとのこと。教育機関における情報保障の体制がまだ十分に整っていない現状に驚かされました。
「教育環境へのアクセスの差や遠慮がちな行動が、雇用やキャリア形成にも影響する」という指摘はまさにその通りだと思います。聴覚障害者の教育環境の現状を深く知ることできますので、ぜひご覧ください。

視覚を生かしたコーチングへ デフサッカー日本代表監督の工夫

元JFL鈴鹿監督の斎藤登氏は、デフサッカー男子日本代表の監督として4カ月間チームを率い、デフ選手への指導に向き合いました。基本的な指導法が通用しない状況で、パワーポイントを活用した視覚中心のミーティングを徹底。選手との双方向の理解を重視した工夫が、チームの強化につながりました。

基本的な指導方法が「選手が聞こえていることを前提」に成り立っていたと気づいた点が印象的でした。視覚で伝わりやすい方法を追求し、パワポを効果的に活用したことは、情報保障の一つの形としてとても重要だと感じました。

留学生と中等部の生徒が交流 多様な方法で伝え合う

関西大学留学生別科の「アカデミック日本語」授業の一環として、大阪府立中央聴覚支援学校を訪問し、留学生と中等部の生徒が手話、写真、筆談など多様な方法で交流しました。互いの違いを受け止めながら試行錯誤し、音声に依存しないコミュニケーションの可能性を実感する機会となりました。

「伝わらなかったら諦める」ではなく、うまくいかない瞬間も前向きに受けとめ、互いに歩み寄りながら工夫する点は、素晴らしいと感じました。こうした経験は一度きりではなく、これからも自然と生かされていくだろうと思います。

株式会社ユニクロで働く塩田知弘さんは、誰も取り残さない服づくりを目指し、医者である河野氏とともに医療・介護の現場と連携した企画を進めてきました。視覚障害者向け接客の工夫や、高齢者・障害がある人の着やすさに配慮した商品紹介サイト、展示会、ファッションショーなど、多様な人の暮らしに寄り添う取り組みを広げています。

塩田さんが障害の有無にかかわらず多様な視点からマーケティングや企画に取り組み、現場の声を丁寧に取り入れている姿勢に感銘を受けました。ユニクロ公式YouTubeにはファッションショーの様子も公開されており、年齢に関係なくおしゃれを楽しめる魅力を改めて感じました。


編集後記

一つ目の留学支援・教育環境の記事では、大学受験が可能であっても、入学後の情報保障について明示している大学がまだ少ないということに、驚きつつも課題の大きさを改めて感じました。

記事の最後にあった「気づいた人が自然に動く」という言葉は、一見すると簡単のようで、実際には難しいことだと感じます。それでも、そうした行動が広がってほしいと強く思っています。

今回の記事を通して、日本社会には今も「聞こえる人を前提とした仕組み」が多く残っていると実感しました。

皆さんは、気になるニュース記事はありましたか?

「とても良かった」「もっとシンプルにまとめてほしい」などあなたの感想や意見もぜひ教えてください。

それでは、暖かくして良い週末をお過ごしください🍵

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12月2週目の聴覚障害にまつわる週間デフニュース

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この記事を書いた人

CODAの2人を育てる母として日々奮闘中。
読書とキャンプが大好きで、心地よいロケーションで本を読む時間が私の最高の癒しです。
週間デフニュースを中心に、さまざまな情報を発信しています。
よろしくお願いいたします。

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