難聴のある学生、コロナ禍の大学生活で直面したトラブルとその対処法

 こんにちは!つりざおです。最近、新生活に向けて引っ越しの支度をしているのですが、改めて物の多さに泣いています。いい機会だと思って、断捨離を頑張っています!前回は中学・高校のエピソードと続けて投稿していましたが、今回は大学時代のエピソードについて書きました。周囲に理解者が一人もいない初めての環境の中で、どのようにして大学生活を過ごしていたのか最後まで読んでいただけると嬉しいです。

目次

大学に申請した配慮事項

私が今の大学に入学が決定した後、自分で学事センターに連絡を取りました。受験の段階で事前に配慮の申請をしていたので、比較的連絡もスムーズに取ることができました。私が大学で申請した配慮は、以下の通りでした。

  • ①対面授業では教授にFMマイクを装用してもらう
  • ②オンライン授業の際は、音声がクリアに入っていれば字幕などは不要

 受験を終え、いよいよ上京だ!と思っていましたが、私が大学に入学した年が2020年で、新型コロナウィルスによるパンデミック状態だったため、1年生の時は1年間実家でオンライン授業を受けていました。当時は通信制大学に通っているのかというほどつらい生活でした。周囲に同級生もいるわけでもなく、毎日パソコンを開いて出された課題をこなすだけの毎日でした。ですが、今振り返ると塾のアルバイトをやったり、教習所に通ったりといい思い出でした。

大学1年生の時、車の教習所に通った際に「運転って楽しい!」となり、バイクに興味を持ちました。
今は所持していないのですが、モーターサイクルショーに行ったりしています。コロナ禍のおかげで趣味を見つけました。

 コロナ禍によってオンライン授業が導入されたため、対面授業とオンライン授業でそれぞれ配慮を申し出ました。私の場合、オンライン授業の際はパソコンからの音声をFMマイクに接続して、人工内耳に音声を飛ばしていたため字幕が無くても聞こえに問題はありませんでした。また、グループワークも対面と異なり、周囲のグループの雑音が一切入らないためむしろ対面より聞き取りやすいと思っていました。

 配慮内容を考えるにあたって、親から「ノートテイクも頼まないの?」と言われましたが、申請しませんでした。理由として、高校までの経験からFMマイクがあれば聞き取ることができると思っていたことと、ノートテイカーさんがいると授業中に寝たりさぼることが難しいと考えたからです(笑)(結果、あんまり授業はさぼっていませんよ!)

 基本的な申請内容は中学、高校と変わらなかったためスムーズにいくだろうと思っていたのですが、いざ対面授業が始まるとトラブルに直面するのでした…。

大学で直面したトラブル2選

①学事に伝えたはずの配慮事項が教授に伝わっていない

大学2年生の春にようやく上京し、初めての対面授業が始まりました。その初回の授業で、大学の教授にFMマイクの装用をお願いしに行ったところ、その先生が「え、聞こえないの?FMマイク?何それ?」という反応をされてしまい、私も事前に申請したはずなのにどうして伝わらないんだろう?と焦りました。授業前の時間がない中だったので、自分の聞こえについての説明も曖昧になり「とにかくお願いします!」とごり押しでお願いしました。その日は何とか装用してもらえたのですが、授業終わりに一気に疲れたことを今でも覚えています。

 後に学事の方に聞いてみると、履修登録が確定するまでは教授には配慮事項の連絡ができないため、初回の授業より前に連絡ができていなかったそうです。ですが、私からするとお互いのためにも事前に連絡しておいて欲しかったです。その後、学事の方にもお願いをして、初回の授業より前に連絡してもらえるようにして頂きました。

大学2年生の春休みの時の写真です。
この時は落ち着いていますが、上京してから生活の変化やストレスで顔にニキビが大量にできたり太りました。
今振り返っても、大変な一年だったと思います。

②グループワークでFMマイクを回すことが大変

 また、これは最近の話なのですがグループワークでのFMマイクの使い方にも困ったことがありました。大学4年生の後期の授業で、12人でディスカッションをするという場面がありました。グループワークが始まる前に先生に「発言する方にマイクを渡してからお話をお願いしてもいいですか?」と了承をもらいました。その後、話し合いに入ると議論が盛り上がり、先生のところにあったFMマイクが渡されないまま議論が始まり、2名くらいが発言したキリのいいところで「すみません。マイクをお願いしてもいいですか?」と申し出ました。その後はマイクを回しながら議論が進んだのですが、議論の中でマイクを回すことが難しいなあ…。と感じました。この授業は全員が4年生で、12人しかいないためお互い顔見知りだったため議論の中で申し出ることができました。ですが、もし会社の中で上司や部下含めた中でも同じように申し出ることができるかと言われると、勇気がいるなぁと発見しました。グループワーク用に回しやすいマイク型のFMマイクもあるらしく、導入してみようかなと考えています。

大学生活での気付き

 大学生活を振り返って、私が身に付けた力は「自分の聞こえについて初対面の人にも説明できる力」です。初めての頃は、「耳が聞こえにくくて~・・・」と話していました。しかし、聴覚障害=聞こえないと思っている相手からすると「聞こえていないのに何で会話できているの!?」と思われる可能性があるため、具体的な状況を説明するようにしました。例えば、「普段は口話で話していて、静かな環境の中だと問題ないが雑音下だと声は聞こえていても話の内容が分かりにくい」という風に説明するようにしました。また、大学だと学期・授業ごとに初対面の教授に説明する機会があったため、良い実践の場だったと思います。

 また、毎回授業前に先生にFMマイクの装用をお願いしているため、教室の前に歩いて出るという恥ずかしさもなくなりました!200人が入るような大教室でも恥じらいなく前に出るようになりました。恥ずかしいときは、みんな寝る頃には忘れている!と割り切っています。

大学4年生の時「浴衣デー」というイベントに参加した時の写真です。教授も生徒もみんな浴衣で大学に行き、授業も受けるというイベントで
とても楽しかったです。3年生の時は謎に意地を張って参加しなかったのですが、素直に楽しんだ方がいいですね(笑)

おわりに

 今回は大学生活を振り返って記事にしました。特に2年生の時は、周りに家族や友達もいなかったためとても精神的にも追い込まれていた記憶があります。ですが、この経験があったからこそ障害に対する自己理解も深まり、就活や将来の自分の働き方を考える機会になりました。大学の学事センターの方には良くしていただき、改めて感謝しかありません。

 この記事は大学生活の授業を中心に取り上げていますが、留学や教育実習も経験したため、今後はこれらの内容も記事にしたいと思います!

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この記事を書いた人

兵庫県の片田舎出身。
先天性の感音性難聴で両耳とも100dBを超えています。
2歳の時に左耳に人工内耳を装用。
大学卒業後、日系メーカーで勤務中。
目標は、世界中のユニバとディズニーを訪れることです。

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