皆さん、こんにちは!
聴覚障害者と言えば、全く聞こえない、聞こえにくい、中途失聴など、さまざまな障害があります。それについては以下のサイトで紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。
皆さん、「聞き取り困難症」「聴覚情報処理障害」という言葉、ご存知でしょうか?
聞こえに関しては、聴者と同じように音は聞こえているけど、雑音などの状況下で聞き取れない、聞き間違い、何度も聞き返すなどの症状、また、色んな音があることは理解しているが、言葉が抜け落ちて、何を言っているのかわからない症状でもあるようです。
社会には少しずつ広まりつつありますが、まだまだ認知度が低い現状です。
まずは知ることから始めてみませんか?
聞き取り困難症と聴覚情報処理障害(LiD/APD)について知ろう!
聞き取り困難症は、英語で“Listening Difficulties”、LiDと呼び、聴覚情報処理障害は“Auditory Processing Disorder” と呼び、頭文字をそれぞれ取って、APDと略します。
近年では「LiD/APD」と併記されており、本記事でもそのように表記します。
一般の聴力検査では異常が見られないのですが、聞き取れない、聞き間違い、聞き返すことが多い、という困難があります。
では、困難とはどのような状況でしょうか。以下を見ていきましょう。
- 電車などによるアナウンスやざわざわ(雑音)している場所などでは、聞き取れない・聞き取りにくい
- アナウンスが聞き取れない、聞き取りにくい
- 電話での対応で、会社名など聞き間違い、聞き取れない
- 聞きながら、メモを取ることが難しい
- 何度も聞き返す
- 理解できなかった部分は口の動きを見て理解しているが、マスク着用が増え、口の動きを見ることができない
- 話が長いと、理解が難しい
- 複数の会話で話しているのは理解できているけれど、誰が何を言ってるのかわからない
このような事例を見ると、なんだか聴覚障害を持つ方々にも共通するところが多くありますね。
しかし、聴覚障害とは、聞き取れない、聞き取りにくいという面では共通していますが、音声などの音の情報を耳から伝って脳まで伝達が、何らかの障害により伝わらず、聞き取りにくい、聞きにくい、または全く聞こえないということになります。
LiD/APDの場合は、耳から脳まで伝達し、脳で何らかの障害によって、言葉として処理し、理解することが難しくなるということです。
つまり、聞こえるけれど、脳の神経機能で何らかの障害により、音の情報をうまく処理ができず、言葉が一部抜け落ちたり、言葉として認知できず、聞き取れないのです。
しかし、まだ研究段階であり、脳の神経機能によって生じているのかどうか、詳しくはわかっておらず、それ以外にも考えられることがあるようです。
診療については、耳鼻科医院の一般的な聴力検査を受けても「異常なし」と見落としてしまうケースが多く、細かく検査できる診療を行っている病院は大学病院が多いようです。それ以外もありますが、どちらも事前に相談が必要です。以下のサイトを参考にしてみてください。
そして、さらに掘り下げてみると…
人によって、原因、環境や背景は、実に多様で、以下の4つのタイプがあるようです。
- 発達障害タイプ
- 脳損傷(脳梗塞や脳出血など)タイプ
- 心理的タイプ
- 注意や記憶などの認知的な偏りタイプ
なかなか気づきにくい症状、または聞こえないのでは…と違和感がありつつも、そのままにしたり、聴力検査では正常であったりなどから、適切なサポートもないまま、就職して初めて自覚する方が多くいます。
例えば、聞き間違い、聞き返す量の多さ、ミス、「他の人は簡単に聞き取れているのに、どうしてこんなに聞き取れていないのだろう」などの理由から、仕事を辞めていくことも多くあります。
また、「生まれつき」、「話の内容を覚えることができない」、「過度なストレス」などの背景から、以上の4つのタイプから生じることもあるようです。
では、必要な配慮はどのようなことなのか、以下を見ていきましょう。
どのような配慮が必要なの?
LiD/APDは根本的な治療法がなく、障害者としての認定もなく、身体障害者手帳もありません。2024年4月にAMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)から「LiD/APD診断と支援の手引き(2024第一版)」が発表され、診断基準が策定されました。
診断の必須項目は、
- 純音聴力検査が正常であること
- 語音明瞭度が正常であること
- 聞き取り困難の自覚症状があること
さらに、各人の病態を詳しく知るために、聴覚情報処理検査(APT)や発達検査などの追加検査が推奨されています。
また、身体障害者手帳を所持していないからと合理的配慮を受けられないというわけではありません。自分に必要な配慮してほしいことなどの要望を出すことができます。
LiD/APDではない私たちができることは、まず、それを「知る」ことが大事なのではと思っています。
本やネットで調べたり、職場、または知り合いや家族にLiD/APDの方がいれば、どのような症状があるのか、困っていることは何かなど対話をしながら知り、理解した上で必要な配慮を一緒に考えていくことが大事かなと思っています。
配慮の代表的な事例は以下になります。
- 本人が理解できる話のスピード
- 音声認識アプリの活用や筆談(視覚化)
- 静かな場所に移動する
- 内容を理解できたかどうか、お互い確認する
人によって必要な配慮は異なりますので、本人に確認すると良いでしょう。
マルチタスクの業務の場合は、業務計画を立てて取り組む、他の方がどのように取り組んでいるのかなどの情報交換をしたり、やりやすい方法を一緒に工夫、模索すると良いでしょう。そうすると、お互いがやりやすくなり、生産性が向上します。
また、呼ぶときについて、聞き逃してしまって「無視された」と誤解されることもあるようなので、呼ぶ方法も、肩をたたいていいのか、どんな呼び方がいいのか、本人と相談することも大切です。
まとめ
私は先天性重度難聴で、両耳に100dB以上あります。補聴器を装用していないので、音も声も全く聞こえません。
しかし、「聞こえるのに、聞き取れない」というのはどういうことなのか、私には想像できません。人によって異なると思いますが、聴覚だけではなく、脳にも音と音声がうまく分けることができず、聞き取りにくい、聞き間違いなどが生じると初めて知りました。
違和感を感じつつも、自覚がなく、就職して初めてわかった、これまで感じてきた困難さが「自分自身の問題ではなく、この症状によって生じているのだ」と安心したという方も多くいるようです。
見た目についても、聴覚障害者と同じく、外見だけではわからないのですが、聞こえないと言うと大概は理解されます。しかし、LiD/APDの場合は、聞こえるが故に聞き取れなくて、それを伝えても理解してくれない苦しさを抱えながら生きていることも知りました。
聞こえる、聞こえないその狭間に生きるとは計り知れない多くの困難があるだろうと思うと、私も微力ながらこの場で発信して、多くの方々に「LiD/APD」を知ってほしいです。
以下のLiD/APDマーク公式サイトでは、さらに詳しく、そしてマークについても紹介していますので、ぜひご覧ください!


