人と話すと、どっと疲れる──
これを「性格のせい」だと思っている人、いませんか?
実はそれ、あなたの難聴が
関わっているかもしれません。
今日は難聴あるある「聞き疲れ」と、
そこから気づいた“私の不器用さ”についてお伝えします。
ききとるだけでHPが削られる
難聴の人なら共感してもらえると思うのですが、
会話をききとろうとするだけで
体力も気力もガリガリ削られていきます。
・騒がしいカフェ
・複数人で歩きながらの会話
・移動中(階段など)の雑談
・車中でのおしゃべり
こうした日常的なシーンは全て
「聞き疲れスポット」です。
だから私は、集団にいるとき
常に神経を張りつめています。
その結果──
ふっと一人になりたくなる。
以前はこの現象を
「私、人が苦手なのかも」
と思っていましたが、そうではありませんでした。
「聞き疲れする環境」が影響しています。
人が嫌いなのではなく、疲れやすいから1人の時間が必要なだけ。
人と関わること自体は好きなのです。
情報が飛び交うオフラインは消耗が激しい
去年の秋、私は海外で開催された
ワークショップに参加しました。
オンライン、オフラインでの講座を両方受けて
違いにびっくりです。
※大学に行っていないため、この経験がありませんでした…
オンラインでは、

- 顔が画面上に並び、一気に見渡せる
- 字幕がある
そのうえ、休憩も「カメラオフ」で
エネルギーを即チャージできます。
まさに省エネ仕様です。
オンラインは、
エネルギーの消耗が比較的少なく済みました。
一方で、オフラインでは、
あちこちで情報が飛び交わる
ため、エネルギーの消耗が激しいです。
例えば、
- 講義終了後の移動中
- 休憩中のトイレで、出くわした同期
との会話でさえも。
HPが圧倒的なスピードで減っていきます…。
でも、私はHPが低くても、心の中で
こう思っているのです。
いつ、どこで「役立つ情報」「周りと仲良くなるチャンス」が転がっているか分からん!!
こんなスタンスで自分を鼓舞しながら
なるべく情報を拾おうと、
今日も集団の群れに飛び込んでいます(笑)。
自分にとって居心地の良い対人関係を築くには、
まめに周りと会話をすることも大事ですからね。
しかし…
周りの会話を聞き取って、理解し、反応する
ただ、その一連のステップで
とても疲れてしまうんですよね。
講座後、みんなが雑談で盛り上がる中、

私はすでに魂が抜けていました。
新しい知識+海外での長期滞在+コミュニケーション=HPゼロ
この特殊な環境下、
他の人も当然疲れるものです。
でも、ここで違ったのは
「それでも人と会話できる余裕」
ワークショップ当初の私は
ご飯に誘われても丁重にお断り、ホテルに直行しました。
本当は参加したかったのですが、
耳がついていけなくて余裕がなかったのです。
「新しい世界を知りたくて、飛び込んだ場なのに」
最初の頃は、周りと違う状況に直面すると、
ネガティブな気持ちになることもありました。
耳✖️性格=不器用さの公式
このワークショップで
死ぬほど痛感した不器用さ。
会話を聞き取ることに全集中すると、
- 反応がワンテンポ遅れる
- 自身の作業の手も止まる
- 無意識の情報スルーをしてしまう
そこに私の
「遠慮がちで空気を読もうとする」性格が
プラスされると……
見事に“不器用さ”が完成します(笑)。
その結果、
・発言のタイミングを逃す
・会話のテンポに乗り切れず、気づけば黙っているだけ
・「大人しい人」認定される
──こんな現象、日常茶飯事です。
耳のきこえづらさ(情報処理の遅さ)✖️性格のクセ(遠慮グセ・真面目さ)=不器用さ
もう公式化できます。(笑)
でも、こう笑って言えるのも、
その不器用さに、無理に抗おうとしなくてもいい
と教えてくれたのも、
1ヶ月に及ぶワークショップを共に過ごした
彼らの存在でした。
そう言ってくれた時、初めて
“不器用さ”は欠点じゃなく専門性にもなり得る
と心から思えたのです。
「障害は個性」
今までこんなワードを聞くと
モヤモヤしていましたが、
この時は違いました。
障害は個性─と一括りにされるのではなく、
「私」と生活を共にして感じたことを、まっすぐ言葉にしてくれたから
ことが純粋に伝わってきたからです。
不器用でも強みはある
分かりやすい例でいうと、
カラオケ。
多様な曲もダンスもこなせるみんなの中で、
私は迷子、傍観者状態になります。
音程もリズムもよくわからないし、
声の調整も下手なのです。
でも「SUPER EIGHT」だけは。
https://www.instagram.com/super_eight_official/l/
彼らの曲だけは、
死ぬほど聴いているので、なんとか歌えます(笑)。
だったら一点突破で
とことん楽しめばいいですよね。
この姿勢も良いですが、
これもいいんじゃないか、と
心から思えました。
ちなみに最近、ひとりカラオケデビューしました。
音痴の私に付き合ってくれる方も募集中です(笑)
周囲にできる、ちょっとした工夫
これまでお話ししたように聞き疲れは、
難聴の人にとって日常茶飯事。
だから周囲のちょっとした配慮が
とってもありがたいのです。
- 休憩を勧める:
会話や活動の合間に、短い休息の時間を自然に作る - さりげない情報保障:
雑談で盛り上がっているときに、話の要点を伝える
話を振る(発言権を持たせる) - 役割を限定しない:
お互いにWin-Winな立ち位置を見つける - 参加スタイルを柔軟に:
オンラインを組み合わせたり、事前に資料を共有
「人が苦手」なのではなく、エネルギー管理が必要なだけ。
これを知ってもらえるだけでも、
ずっとやさしくなります。
終わりに
当事者である私自身、
学びたいと飛び込んだ場で、周りとの違いに
落ち込むことも多いです。
でも、それも含め挑戦するのが私らしさかなぁ、と
この頃思います。
仲間からはっとされる言葉をもらえたり、

自分の発想を、自由にカスタムできる出来事に
たくさん遭遇できるのです。

その先に「自分にしかできない専門性」があると
信じています。
最後に、私の推し「SUPER EIGHT」の言葉を。

不器用なこゆんのままで。